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大阪府医師会フォトギャラリー
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フォトギャラリーでは、会員のみなさまの作品を紹介しています。
スマートフォンで撮影されたお写真でも結構です。
四季折々の美しい風景や名所など、投稿をお待ちしております。
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撮影者:伊藤一男(阿倍野区医師会)
撮影機材:ペンタックスistD
撮影場所:箕面市・箕面国定公園
初夏は新緑の季節と言えます。草や木がそれぞれに息吹き込めた新緑はすがすがしく、見ているだけで清廉さを感じられる美しい色であります。繊細な日本人の感性は、新緑の色をも綿密に見分け、多くの伝統色を生み出してきたのであります。
なかでも若竹色と青竹色、若苗色と苗色は、成長による微妙な色の違いを表現した日本人ならではの観察眼と美意識が感じられるのであります。ほかにも、若草色、萌黄色、木賊(とくさ)色、松葉色、鶸(ひわ)色、常盤色、山葵色、抹茶色など、ほんのわずかな色の違いにも敏感に反応する日本人の感性は、他には類をみない鋭さだと思われます。
何処か控え目で優しい新緑は、我々の心を和ませてくれ、芽吹いたばかりの小さな萌黄色から、柔らかで生命力に満ち溢れる緑色まで、日に日に色を変える新緑は魅力的な被写体なのです。
撮影者:伊藤一男(阿倍野区医師会)
撮影機材:ニコンD100
撮影場所:京都市東山区六波羅蜜寺
鎌倉時代、諸国を巡り念仏の意味を民衆に説いて回った空也上人は、口から六体の阿弥陀仏が飛び出た彫像で知られています。これは阿弥陀様を敬愛するあまり、思わずつぶやいた念仏「南無阿弥陀仏」の一音、一音が阿弥陀仏の姿に変わったという伝説から作られたもの、「阿弥陀様が大好きだ!!」という叫びの形です。像は運慶の四男康勝の作。重要文化財。鎌倉時代前期。
20世紀初頭、ロシア・アヴァンギャルドの奇才、ロトチェンコの代表作、若い女性が力いっぱい「本よ!!」と叫けんでいるポスターと康勝作の空也上人立像が「叫ぶ」というテーマで対比して話題となっています。空也上人の伝説に基づいたユニークなアイディアの作品に感心しました。そのように念仏を唱える様を、視覚的に表現している着想は素晴しいもので、仏教そのものを生きた人の姿を理想化しようとしたもののように思われ、「これこそ芸術作品である」と言えると思われました。
から鮭も空也の痩せも寒の内 芭蕉
撮影者:伊藤一男(阿倍野区医師会)
撮影機材:ペンタックスistD
撮影場所:箕面市・箕面国定公園
箕面大滝は、猪名川の支流である箕面川にかかる滝。高さ33メートルの岩壁から轟音とともに一気に流れ落ちる様は、まさに荘厳な水の芸術である。更に加えて渓谷は新緑の楓で満たされ、身も心も洗われる思いがした。
自然は単に美しいだけではない。自然は偉大であり、威力をを持って人間に迫ってくる。威嚇するような岩石、大空に湧き上がる雷雲、破壊的威力を持った火山、荒廃を残して去る暴風、水流高い大瀑布など、自然の威力に我々は突き放されるとともに引き付けられる。
このような自然の大きさや威力は、それを見る人間の能力を圧倒する絶大な偉大さを持ち、人間の力の卑小さを感じさせる。そこに我々は、自然の持つ崇高さを感じるのである。
自然美はむしろ、この自然の崇高感から始まったと言えるように思われる。
滝落ちて 群青世界 とどろけり 秋櫻子
撮影者:伊藤一男(阿倍野区医師会)
撮影機材:ニコンD100
撮影場所:京都府向日市鶏冠井町長岡宮跡・大極殿公園
あちらこちらから、「会いにきて」と、櫻の声が聞こえてきます。
「毎年行っているから今年はいいわ」と思ってしまう時もありますが、春のたった数日のために、一年をかけて力を蓄え、厳しい冬を乗りこえて、一生懸命頑張っているのですから、知らんぷりはできません。
しかし、樹齢を重ねて弱ってきた桜がいくつもあります。それでも満開になると、「元気な姿を見てください」と言っているようで、応援せずにはいられないのです。「今のうち、今のうち」今年もそう思う人達が花を見上げているのでしょう。
また会いたくなる櫻が増える度に、春の忙しさが増してきます。