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大阪府医師会フォトギャラリー
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大阪府医師会フォトギャラリー
フォトギャラリーでは、会員のみなさまの作品を紹介しています。
スマートフォンで撮影されたお写真でも結構です。
四季折々の美しい風景や名所など、投稿をお待ちしております。
※クリックで拡大します。
撮影者:伊藤一男(阿倍野区医師会)
撮影機材:ニコンD100
撮影場所:高島市今津深清水赤坂平高原・平池
滋賀県高島市の箱館山を越えた谷あいの平池では、毎年6月上旬に杜若が淡紫色の花を咲かせてくれ、神秘的な幻想的な原風景が展開し、その数1万株とも言われております。杉木立に囲まれた谷あいの湿地と比良山系の水を集めた池に杜若が群生し、時おり聞こえる鶯の鳴き声しかない静寂な場所でありました。その前日・夜半の雨で森の木々や谷あいが渇いた喉を潤すように、たっぷり水を貯え、生き生きした姿を見せてくれました。命の源でもある豊かな水の存在が、日本の自然をより美しく見せてくれるようです。しかし、自然は、留まることを知らず、常に変化し続けていますが、同時に何も変わりません。山は山のまま座り続け、川は川のまま流れ続けます。森もある意味不変ですが、季節は巡り、世代の交代を繰り返し、日差しとともに木漏れ日は移り変わります。この景色も、この光も、一瞬でしかありえません。自然の中の際立たせる美は、永遠と瞬間の睦み合いに違いないように思われました。
撮影者:伊藤一男(阿倍野区医師会)
撮影機材:ペンタックスiSTD
撮影場所:京都市山科区勧修寺
勧修寺は900年に醍醐天皇が創建され、千有余年の歴史ある寺である。庭園は「氷室の池」を中心に造園されており、古く平安時代には、毎年1月2日にこの池に張る氷を宮中に献上し、その氷の厚さによってその年の五穀豊凶を占ったと言われ、京都でも指折り古池になっている。
現在、池面に睡蓮が生茂りその美しい花が初夏の暑さの中、透明感のある涼しげな水面に華を咲かせてくれ、印象派の巨匠モネがこよなく愛した「睡蓮の池」をも連想するのである。ちょうど撮影日は曇天で弱い光線で、睡蓮とその浮かぶ水面に引き寄せられ、水面に見出した反映は水に宿された光だといえるだろう。それらがひとつに融合して流動して映し出されて、睡蓮と同時に、時にはそれ以上に重要な役割を演じているように思われた。
撮影者:伊藤一男(阿倍野区医師会)
撮影機材:ニコンD100
撮影場所:吹田市万博記念公園・日本庭園
アヤメ科アヤメ属の野生種・野花菖蒲を基につくりだされた。5~6月頃に咲き、梅雨の到来を告げる。日本各地のほか、東南アジア一帯の湿地や野原に分布する多年草。原種は赤紫だった花色から、紫・白・絞りなどの品種が生まれ、多彩になっている。
江戸時代に地域ごとに品種群が確立し、それぞれ江戸花菖蒲、肥後花菖蒲、伊勢花菖蒲などと呼ばれている。特に花菖蒲の群生は素晴らしく、その情景を前にして、美とは、混沌にある。すなわち、混沌の中から、あるルールや規律、そういうものを見つけだした時に、美が発見されるのである。換言すれば「美は乱調にある」といわれ、「混沌」、いわばぐちゃぐちゃの中にこそ大切なものがあり、そこに初めて秩序を見出した時に、私達は美的感覚を会得することができるのである。
この考え方は「創生に関わる世界」に共通するものである。世界が混沌に見えたり、秩序的に見えたりするのは、どこを、どう切り取るかという意識次第である。
意識が変わると、視点が変わる。
視点が変わると、世界が変わる。
撮影者:伊藤一男(阿倍野区医師会)
撮影機材:ニコンD100
撮影場所:大阪市北区中之島公園・バラ園
四季を通じて花の代表格とでも言うべきものが、このバラではないでしょうか。様々な種類があり、色々なフォルムや色調をした品種が開発されています。写真表現としても、これというひとつの正解がある訳ではなく、自由な捉え方が推奨されていますが、基本的なポイントは、あまり強い光の下では影が強く出るので、光の見極めが大切だということです。
デリケートな花びらの渦の表情に注目した表現です。花を真正面から捉えて花びらのエッジにピントを合わせ開放絞りのボケ味の効果をきかせて、今年はレッド・ローズ一本に搾り描写してみました。
撮影者:伊藤一男(阿倍野区医師会)
撮影機材:ニコンD100
撮影場所:明石市大久保町江井ケ島
明石の西方の漁港・江井ケ島は初冬の落陽には最適の撮影地であると思い、ここ数年よく通っております。今年も12月3日午後4時頃に撮影に訪れました。
直視できないほどの眩しい太陽が徐々に光を弱め、西(家島諸島)方向に傾き日没の瞬間を待つ。……夕陽色に染まった海面には黄金の道が現れ、太陽が最後の輝きを見せ空も、海も素晴しい茜色に染めあげるのであります。
夕陽が水平線に沈んで、しばらくすると、雲の形状や高さにより夕焼け雲が二度焼けることがあります。この夕焼け(小焼け)は、赤黒く染まり、深みのある夕焼け雲となり、大自然のキャンパスに描かれた時空を越えた創造の美しさに魅了されるのであります。
暗くなった海原には、灯台が灯り、南西の天空には、三日月と宵の明星(金星)がひときわ輝き、興奮と緊張した頬を、初冬の冷たい風が心地よく撫ぜてくれるのです。
夕焼けを探しに
母の背中で聞いた
歌を道ずれに
「いい日旅立ち」 作詞・曲:谷村新司
撮影者:伊藤一男(阿倍野区医師会)
撮影機材:ペンタックスiSTD
撮影場所:京都府向日市物集女町中海道・竹の径
京都には野から山に接するなだらかな丘陵地帯に広大な竹林がある。東は比叡山、西は愛宕山を頂点に山で囲まれた京都。その中でも西山丘陵は嵯峨野から大山崎まで12キロにわたる竹薮の丘陵で、竹は京都周辺の景観には欠かせないものとなっている。中でも昔ながら面影を残している洛西界隈は静寂な地である。竹林は町と言う人工空間と山岳の自然空間との緩衝地帯という不思議な空間であると言えよう。
また竹は植物学的にみても草でもなく木でもない。すなわち子どもである筍が僅か数カ月で大人の竹に成長する生命力と数十年間も毎年その子育てを繰り返す長寿命は、草木の常識をはるかに超す神秘性を持っている。その竹林と身近に接して、素晴らしい異空間に感動を憶えた次第である。
その竹林の持つ自然の空間から普遍的な装飾美を見つけたいものである。