
PHOTO GALLERY
大阪府医師会フォトギャラリー
PHOTO GALLERY
大阪府医師会フォトギャラリー
フォトギャラリーでは、会員のみなさまの作品を紹介しています。
スマートフォンで撮影されたお写真でも結構です。
四季折々の美しい風景や名所など、投稿をお待ちしております。
※クリックで拡大します。
撮影者:伊藤一男(阿倍野区医師会)
撮影機材:ニコンD100
撮影場所:奈良県桜井市三輪・檜原神社
ここは崇神天皇が天照大神を祀ったという笠縫邑伝承地で、本殿も拝殿もなく、独特な形をした三ツ鳥居が赤松の林に囲まれて立っている。玉砂利だけの社地とともにまことに清々しい雰囲気を持った神社である。ここが天照大神を創祀した伊勢の神のはじめの場所である。
この鳥居から真東を地図で辿ると、点々とある山頂の遺跡を経て、伊勢神宮の元の社地であった伊勢斎王宮跡に至ることになる。ふり返って西を見ると、風変わりな鳥居の太い注連縄の下に、遠く二上山、近く箸墓古墳の森がきっちりとおさまっている。
これまた地図で正確に真西を測ると、箸墓を通って二上山の北側の稜線の先端に小さなV字形に見える穴虫峠に当たる。この東西線上には点々と神社が並び、峠を越えて更に真西に進むと、大阪湾に面した大鳥大社を経て淡路島の伊勢の森という神山に至っている。つまり春分と秋分にこの社頭に立つと、穴虫峠の向かう遥かな伊勢の森へと沈む太陽を見ることができる。
こうして伊勢斎王宮から伊勢の森に至るこの東西線は、太陽祭祀に深い関わりがあり、「太陽の道」と名付ける人もいる。
撮影者:伊藤一男(阿倍野区医師会)
撮影機材:ニコンD100
撮影場所:明石市大久保町江井ケ島
明石の西方の漁港・江井ケ島は初冬の落陽には最適の撮影地であると思い、ここ数年よ
く通っております。今年も12月3日午後4時頃に撮影に趣きました。
直視できないほどの眩しい太陽が徐々に光を弱め、西(家島諸島)方向に傾き、日没の瞬間を待つ。……夕陽色に染まった海面には黄金の道が現れ、太陽が最後の輝きを見せる。丁度その時、憎き黒い雲が太陽の行く手を遮るかごとくにわかに現れ、その中に埋没してしまった。万事窮すと思いきや、好運にも水平線とのわずかな隙間に燃えるような真赤なダルマ夕陽が水平線へと沈んでいく光景(コーヒカップの形状)を撮影し得た。荘厳でドラマチックな素晴しい夕陽は、幸せな1日の終わりを告げ、多くの霊が眠る西海に没し、明日の晴れを約束しているように思われるのであり、あの中島みゆきの作詞・作曲の「時代」が遠くから流れてくるように感じられた。
夕陽が水平線に沈んで、しばらくすると、雲の形状や高さにより夕焼け雲が2度焼けることがある。この夕焼けは、赤黒く染まり、深みのある夕焼け雲となり、大自然のキャンパスに描かれた時空を越えた創造の美しさに魅了されるのである。
暗くなった海原には、灯台が灯り、南西の天空には宵の明星(金星)がひときわ輝き、興奮と緊張した頬を、初冬の冷たい風が心地よく撫ぜていった。