
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ
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府医ニュース
2024年11月20日 第3090号
10月度郡市区等医師会長協議会(令和6年度第7回)が10月25日午後、大阪府医師会館で行われた。本文は加納康至会長代行あいさつ(要旨)。
すでにご存じのことだと思うが、中尾正俊会長が10月16日に逝去された。医師会内は依然として深い悲しみに包まれている。ここに心より哀悼の意を表し、黙祷をささげたい。
中尾先生が会長に就任するに当たっては激しい選挙戦が繰り広げられた。会員のための医師会をつくるという強い言葉に賛同し、現役員も選挙に臨んだ。多くの会員の支持をいただき、ようやく動き出した矢先の訃報で、中尾先生の心中を思うと涙が止まらない。
中尾先生は、長年にわたり医師会の発展に尽くされ、特に地域医療関係においては多くの会合に参画された。ひたすら府民の健康のためにと昼夜を分かたず尽力されてきた。
私と中尾先生の関係であるが、中尾先生のお父上が私の勤めていた病院に入院されていた際に、お見舞いに来られた中尾先生と話をしたのがきっかけだ。その後、中尾先生はお父様の跡を継がれて東淀川区で開業され、私もその数年後に父親の代替わりで開業した。やがて、中尾先生が府医の理事になられ、私も後を追うように理事に加わった。常に私の前を歩いておられ、いろいろとご指導いただいた。多くのことを学ばせていただき、その指導力においても深く感銘を受けた。
中尾先生は、会長就任に当たって4つの方針を掲げられた。①地域医療体制の充実②丁寧な医療DXの提案③広報部門の強化④風通しの良い事務局をつくる――の4つだ。6月20日に新執行部が動き出し、すべてにおいてすさまじい勢いで取り組みを始められた。今思えば、限られた時間の中で全部進めるには、急がなければならないという思いだったのかもしれない。9月11日には、医療問題研究委員会で講演された。後進の育成を重視されており、数々の講演があった中で、医問研が最後の講演になったのは中尾先生らしいとも思う。
心身の負担も相当大きかったに違いないが、その後も黙々と会務をこなされていた。9月中旬から下旬にかけて急激に体調を崩されて、そこから約1カ月間、懸命に病魔と闘われた。亡くなられた日に面会させていただいたが、言葉を交わすことができない状態であった。それでも中尾先生の気持ちは痛いほど伝わった。
中尾先生は、いつも先を見据えて、周囲を勇気付ける存在であった。医師会という組織の発展に強い信念を持って自ら率先して行動されていた。私達は、中尾先生の志を胸に、これからも府医の使命を果たしていく。中尾先生が生前示されたリーダーシップと温かい人柄を忘れることなく、掲げられた4つの方針に基づいて、医療の質をさらに高め、地域社会に貢献していく。改めて、郡市区等医師会長の先生方にご協力をお願いするとともに、中尾先生のご冥福を心よりお祈り申し上げる。
なお、今後であるが、会務に支障を来さないよう、本会の定款に基づき、臨時代議員会を開催する。開催日時は年内で調整をしているが、追って報告させていただく。現在、私は会長代行という立場で会務の運営に携わっているが、現執行部総意の下、会長候補として立候補させていただきたい。中尾先生の遺志を受け継ぎ、中尾先生が行いたかったであろう施策を発展的に進める覚悟である。皆様のご理解、ご支援をお願い申し上げたい。