TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

令和5年度接遇研修会

府医ニュース

2024年5月1日 第3071号

ホスピタリティにあふれた対応を

 令和5年度「接遇研修会」が3月11日午後、会場とウェブの併用で行われ、約400人が参加した。
 清水智之理事が司会を務め、開会あいさつ。昨年度まではウェブのみで実施としていたが、今回はウェブとの併用で企画したと報告。研修内容を医療現場でいかしてほしいと述べた。
 この日は榊原陽子氏(株式会社マザーリーフ代表取締役/さくら社会保険労務士法人代表社員)が、「覆面調査から学ぶ医療機関のホスピタリティ・マネジメント」と題して講演した。榊原氏は全日本空輸株式会社(ANA)に客室乗務員として入社。組織マネジメントなどの管理業務を担った後、現職に就いている。
 まずは、舞台で「美しい座り方・立ち上がり方」を実演。会場内の参加者とともに繰り返し、「意識しなくてもできる状態」を目指してほしいと呼びかけた。
 続いて、「ホスピタリティ」の概念を説明した。サービスのような主従関係ではなく、相手の気持ちをプラスにする「対等で共創的な関係」だと強調。医療は「ホスピタリティ産業」と位置付け、これを実践することの意義を説いた。
 次いで、第一印象の重要性を指摘。メラビアンの法則を引用し、第一印象は「30秒までに決まり3年続く」と注意を促した。その上で、▽身だしなみ▽笑顔▽あいさつ▽言葉づかい――などを具体的にアドバイス。ホスピタリティあふれる接遇の基本は、「N(ニコニコ)H(ハキハキ)K(キビキビ)」との考えを示し、会場内でロールプレイを行った。
 医療機関では、指示・命令が多いことから、「マジックフレーズ(クッションことば)」が役に立つと主張。会話の中で「恐れ入りますが」「失礼ですが」「お手数をおかけしますが」などの言葉をはさむことで、印象は大きく変わると語った。そして、患者さんの不安を和らげることのできる接遇を心がけてほしいと結んだ。