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医師・医療関係者のみなさまへ

第2回小児在宅医療研修会

府医ニュース

2024年4月17日 第3069号

「重心児者と家族の生涯支援を考える」をテーマに開催

 大阪府医師会は令和5年12月13日午後、第2回小児在宅医療研修会をウェブ配信で開催した。本研修会は大阪府からの委託を受け、大阪府小児在宅医診療促進事業の一環として実施しており、医師をはじめとする医療従事者や学校関係者約100人が参加した。
 開会あいさつで前川たかし理事は、医療的ケアを必要とする子どもは増加傾向にあり、4月にはこども基本法が施行されたと説明。また、大阪府においても医療的ケア児支援センターの開設に伴い、地域の連携体制の強化と成長段階に応じた支援体制の整備が一層進められていると強調した。今回のテーマは、「重症心身障害児者と家族の生涯支援を考える」であると述べ、少しでも多くの会員が小児在宅医療提供体制の構築に携わることに期待を寄せた。
 講義Ⅰでは、「大阪府医療的ケア児支援センターの開設について」と題して、望月成隆氏(大阪母子医療センター新生児科副部長)が講演。望月氏はまず、小児在宅医療支援の現状について解説した。さらに、令和3年の「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」の施行を契機に、大阪母子医療センターに多方面にわたる相談の総合的な窓口として大阪府医療的ケア児支援センターが設置されたと説示。設置から5カ月で約700件の相談を受けるなど需要は高く、地域の関係機関と連携し、家族を含めた支援を行っていると語った。
 次に講義Ⅱとして、「ライフステージ別の在宅医療・生活支援」について、春本常雄氏(東大阪生協病院小児科部長)、松本康代氏(大阪府訪問看護ステーション協会副会長)、福田典嗣氏(大阪府福祉部障がい福祉室地域生活支援課総括補佐)がそれぞれ解説。春本氏は、在宅医療における多職種連携や、乳幼児期・学齢期・就労とステージごとの支援体制を詳述した。さらに、松本氏は、医療的ケア児への訪問看護の実状について、福田氏は、大阪府における支援の取り組みを示した。
 最後の講義Ⅲは、冬木真規子氏(大阪発達総合療育センター)と塩谷謙二氏(大阪府立岸和田支援学校長)が担当。「泉州圏域の医療的ケア児支援」について、支援学校での医師の業務や、医療的ケアの実施体制を医師と教職員の立場から言及した。