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時事

第584回中医協総会開催

府医ニュース

2024年4月17日 第3069号

在宅医療関係の答申について(第2報)

 令和6年2月14日に中央社会保険医療協議会(中医協)総会が開催され、小塩隆士会長から武見敬三・厚生労働大臣に6年度診療報酬改定が答申された。
 第3066号(6年3月20日付)の本欄にて第1報を報告したが、残りの重要変更等につき、報告する。
 介護保険施設及び障害者支援施設(以下「両施設」)における医療保険で給付できる医療サービスの範囲の見直し:基本的な考え方として、医療と介護の両方を必要とする状態の患者が可能な限り施設での生活を継続するために、医療保険で給付できる医療サービスの範囲を次のとおり見直す。(1)「両施設」において対応が困難な医療行為について医療保険による算定を可能とする(2)6年3月末をもって介護療養病床が廃止されることに伴い、医療保険で給付できる医療サービスの範囲について、介護療養病床に関する記載を削除する(3)保険薬局の薬剤師が介護老人保健施設及び介護医療院に入所する患者に対し、専門的な薬学管理が必要な薬剤の調剤や服薬指導等を行った場合の医療保険と介護保険の給付調整の範囲を見直す――。
 具体的には、①介護老人保健施設に入所している末期の悪性腫瘍の患者に対する放射線治療の医学管理及び緩和ケアの医学管理に関する費用を医療保険において算定可能とする②介護老人保健施設に入所している患者に対し、当該介護老人保健施設の医師及び当該介護老人保健施設の併設医療機関に所属する医師以外が高度な薬学的管理を必要とする薬剤を処方した場合、処方箋の発行にかかる費用を医療保険において算定可能とする③介護老人保健施設及び介護医療院における重症心不全患者に対する植込型補助人工心臓(非拍動流型)にかかる指導管理の費用を医療保険において算定可能とする④介護老人保健施設及び介護医療院に入所している患者に対し、当該施設の医師以外の医師が、高度な薬学的管理を必要とする薬剤に係る処方箋を発行した場合に、応需した保険薬局における調剤等にかかる費用を医療保険において算定可能とする⑤新興感染症発生時において、施設に入所している感染症患者に対して医師の処方箋に基づき薬剤師が訪問して薬剤交付・服薬指導した場合、医療保険において算定可能とする⑥障害者支援施設に入所している末期の悪性腫瘍の患者に訪問診療を行った場合の費用を医療保険において算定可能とする⑦医療保険で給付できる医療サービスの範囲について、介護療養病床等に係る記載を削除する――。
 在宅療養指導料の見直し:基本的な考え方として、慢性心不全患者に対する退院直後の支援を強化する観点から、在宅療養指導料について対象患者を見直す。具体的には在宅療養指導管理料の対象に退院直後の慢性心不全患者を追加し、ガイドラインに基づく支援を評価する。
 専門医にも在宅関係の医療保険と介護保険の知識が必要となりつつあると考える。(中)