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福島区区民講座

府医ニュース

2024年4月17日 第3069号

優しさ伝えるケア技術を伝達

 福島区医師会は2月1日午後、大阪市認知症等高齢者支援地域連携事業として区民講座を開催した。当日は同区民センターで実施され、約110人が参加した。
 冒頭、中島滋郎・同医師会長があいさつ。本日の講演で「ユマニチュード」について理解を深めてほしいと期待を込めた。
 次いで、山西智美氏(日本ユマニチュード学会ユマニチュード認定インストラクター)が「優しさを伝えるケア技術ユマニチュード®」をテーマに講演。はじめに、ユマニチュードはフランスで創出されたケア技法で、ケアの対象者に「あなたは大切な存在」というメッセージを理解できるように伝える技術だと説示した。また、そのメッセージを伝える技術として、▽見る▽話す▽触れる▽立つ――の4つの柱を紹介。「触れる」では、広い面積でゆっくり包み込むように行うことで、「優しさ」や「喜び」が伝わると述べ、それぞれのポイントを詳説した。
 さらに、4つの柱を届けるための一連の手順である5つのステップに言及。①出会いの準備(来訪を相手に知らせる)②ケアの準備(人間関係を築く)③知覚の連結(ケアの時間)④感情の固定(良い時間であったことを相手の記憶に残す)⑤再会の約束(次の約束をする)――は相手と良い関係を築くための技術だと語った。一方で、自分でできることは全部行ってもらい、その人の能力を奪わないことも大切だと力を込めた。
 最後に、ユマニチュードを実践することで、お互いに尊重し合い、優しさが伝わり合う社会になればと締めくくった。