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岸和田市医師会創立100周年記念式典

府医ニュース

2024年4月3日 第3068号

時代に合わせ変革、若い世代に期待

 岸和田市医師会(久禮三子雄会長【"禮" は "ネ" (しめすへん)に豊】)は創立100周年を迎え、令和5年11月25日夕刻、同市内で記念式典・講演会・祝賀会を開催。会員・関係者ら約130人が一堂に会し、ともに祝った。
 遠藤省三・同医師会副会長の開会の辞に続き、久禮【"禮" は "ネ" (しめすへん)に豊】・同医師会長が式辞を披露。大正11年に巌崎芳之丞氏を初代会長として岸和田市泉南郡連合醫師会が設立されて以来、100年の歩みを振り返った。戦後は看護専門学校の設立をはじめ、地域医療活動にも積極的に参画し、健康長寿社会に貢献してきたと言及。一方、現在は高齢化やIT化が進み、医師会事業の枠組みも時代に合わせて変革が必要だと語った。次の100年では新たな医師会像が求められるとし、若い世代の奮闘にも期待していると力を込めた。
 続いて来賓が紹介され、茂松茂人・日本医師会副会長が登壇。同医師会の地域に根差した活動に敬意を表するとともに、今後のさらなる発展に期待を寄せた。また、高井康之・大阪府医師会長は、「大きな節目を迎えられたのは歴代の会長や役員、会員の先生方の尽力によるもの」とたたえた。加えて、令和6年度のトリプル改定に向けた議論に触れ、日本の医療を守るために政治的な働きかけも重要だとの見方を示した。引き続き、梅村聡・参議院議員、永野耕平・岸和田市長(波積大樹副市長代読)より祝辞が述べられた。
 次いで、30年以上在籍する医師会員への表彰、看護専門学校実習施設への感謝状贈呈が行われた。式典は、高松正剛・同医師会副会長のあいさつで閉会となり、藤井睦子氏(大阪教育大学副学長・健康安全教育系教授)の記念講演会へと移った。藤井氏は「新型コロナ対応を振り返る」と題して、5年3月まで務めた大阪府健康医療部長としての取り組みを詳述。初動対応や反省点を説明したほか、8つの波の全体像を示し、波ごとに変化する状況やウィズコロナ体制への移行などを解説した。コロナで見えた課題として、▽保健所を中心とした対応の限界▽データ収集・管理システムの未整備▽検査体制の不足▽感染症・危機事象に対応する医療従事者の不足――などを挙げ、それぞれの検証と対策の強化が必要と指摘。この経験を次にいかすべきと強調した。
 講演後は、会場を移して盛大に祝宴を開催。来賓を交えて歓談が行われた。