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医師・医療関係者のみなさまへ

小児在宅医療研修会(実技研修会)

府医ニュース

2024年4月3日 第3068号

ナーシングベビーなどを用いて実技実習

 大阪府医師会は、大阪府移行期医療支援センター後援の下に、「大阪府小児在宅医診療促進事業」の一環として小児在宅医療研修会(実技研修)を実施している。令和5年度は第1回を1月28日、第2回を2月18日に府医会館で開催した。

 第2回の本研修会には、小児在宅医療に関わる医師や看護師ら約30人が参加した。
 冒頭、前川たかし理事があいさつ。医療従事者の尽力と医療の進歩により、重篤な基礎疾患を持つ小児でも自宅で家族とともに生活し、通園・通学が可能になるケースが増加していると言及。今後も小児在宅医療の需要は高まると見通し、本研修会が実践的な手技習得の一助になればと期待を寄せた。
 研修会の座長は位田忍氏(府医小児の医療的ケア検討委員会委員長)が務め、はじめに南條浩輝氏(かがやきクリニック院長)が「緊急時対応について」と題して講演。南條氏は、小児の急な体調変化の8割は予測可能であると述べ、小さな変化を見逃さないことが重要と指摘した。また、小児早期警告スコアを紹介。合計4点以上が警戒サインであるが、医療的ケア児や重症心身障害児では通常の状態でも0点とは限らないため、普段とのギャップに注意を払うよう呼びかけ、普段からケアに関わっていく必要性を説いた。さらに、在宅人工呼吸・気管切開の児の急変時対応として〝DOPE〟を示し、多くの原因はチューブのズレや捻じれ、閉塞などであるが、機器の不具合も想定する必要があると述べた。
 その後の実技実習では、ナーシングベビーやナーシングキッドを使用し、様々な状況を想定したプログラムを展開。府医小児の医療的ケア検討委員会委員らによる指導の下、参加者が熱心に取り組む姿が見られた。