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就学前児保健研修会

府医ニュース

2024年4月3日 第3068号

保育現場でのけいれん対応を解説

 大阪府医師会学校医部会(部会長=中尾正俊・府医副会長)は、大阪市保育・幼児教育センターとの共催により、令和5年度「就学前児保健研修会」を12月20日午後、府医会館で開催。市内の園医および就学前施設教職員75人が受講した。
 神原雪子氏(同部会就学前児保健委員会副委員長)が座長を務め、冒頭、森口久子・同部会副部会長(府医理事)があいさつ。新型コロナウイルス感染症は5類に移行したが、保育現場では様々な感染症が常に流行しているような状況だと指摘した。さらに、コロナ禍で制限を受けた子ども達の心身に影響が表れてくることも予想されるとし、府医は今後も支援を継続していくと語った。
 講演では、村上貴孝氏(大阪旭こども病院)が、「保育士が知っておきたいこどものけいれん――保育現場での対応について」と題して登壇した。はじめに、小児期においてけいれんはまれではなく、保育現場でも遭遇する機会は多いと説明。けいれんの種類を大きく分類し、それぞれの特徴を解説した。次に、保育現場でのけいれんの対応について言及。多くの発作は自然に消失するため、「慌てずによく観察して冷静に判断すること」が大切と伝えた。ただし、「けいれん重積症」に至ると重い後遺症を残す可能性があるため、発作が治まらない場合は速やかに医療機関へ連絡するよう要請。さらに、保育現場で使える治療薬を紹介し、いざという時のために備えておくよう呼びかけた。
 その後、グループディスカッションを展開。▽感染症対策・予防▽発達障害▽食物アレルギー▽けいれんへの救急対応▽食事と成長(肥満・やせ)――など、現場で起こっている課題について、医師と保育士などの施設教職員が同じ目線で討論した。