TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

第1回災害医療基礎(初級)研修会

府医ニュース

2024年3月20日 第3066号

災害に備えトリアージ訓練を実施

 令和5年度第1回災害医療基礎(初級)研修会が11月16日午後、大阪府医師会館で開かれた。講演および実技講習としてトリアージ訓練を行い、医師・看護師など約100人が参加した。
 冒頭、鍬方安行理事があいさつ。近い将来に発生すると予想される南海トラフ地震などに備える必要があると強調。本研修会が災害医療に関する知識を身に付ける一助になればと期待を寄せた。
 はじめに、藤見聡氏(大阪急性期・総合医療センター救急診療科主任部長)が「知っててよかった災害医療の基礎知識」と題して講演。救急医療と災害医療の違いについて、どちらも緊急対応を要求される点は同じだが、災害時は医療資源と医療需要のバランスが逆転するため、「最大多数の負傷者に最良の結果」が求められるとした。その上で、医療従事者には「基本的な知識に加え、柔軟な発想と普段からの備えが重要」と伝えた。
 次いで、松田宏樹氏(厚生労働省DMAT事務局)が「災害時における市区町村保健医療活動」について解説。松田氏は、東日本大震災の教訓から、災害医療コーディネーターの創設・広域災害救急医療情報システム(EMIS)による避難所情報の集約など、新しいシステムが構築されてきたと説示した。中でも、災害医療情報の標準化は顕著であり、J―SPEEDによって「医療ニーズの可視化」が進んだと語り、こうしたシステムが実践された熊本地震・大阪北部地震・西日本豪雨災害における保健医療活動を詳説した。
 後半は「トリアージ訓練」を実施した。模擬患者(人形)を相手に、災害現場さながらの訓練が繰り広げられた。