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此花区医師会在宅緩和医療勉強会

府医ニュース

2024年3月6日 第3065号

PCAポンプ導入事例から学ぶ

 此花区医師会(板東博志会長)は11月25日午後、大阪市内で第3回此花区医師会在宅緩和医療勉強会を開催した。当勉強会は、多職種連携の下、新しい治療法を取り入れながら在宅における緩和医療・緩和ケアを進めることを目的に実施。当日は医師、看護師、薬剤師、ケアマネジャーら65人が参加した。
 田中忠德氏(同医師会顧問)の司会進行の下、板東会長が開会あいさつ。多職種で一緒に知識を深め、在宅ケアを希望する患者さんを応援していきたいと力を込めた。
 講演は、小畑優子・同医師会理事が座長を務め、中村幸生氏(中村クリニック院長)が、「チームで取り組む在宅緩和医療――PCAポンプを利用した事例を通して」と題し、講義と実習を行った。PCAとは、Patient Controlled Analgesia(患者自己調節法)の略で、医療者が設定したPCAポンプによる持続皮下注射法により、患者が痛みを取りたい時に自身の操作で投薬でき、医療者は通信アプリにより投薬回数などが観察できるもの。
 中村氏は、独居高齢者で、▽薬が飲めない▽痛みのコントロールが不十分▽頓服が頻回または使えない――といった患者を例に、PCAポンプ導入の流れや多職種連携について詳説。当治療法を導入した当初、診察から経過観察に至るすべての過程を一人で行っていたと振り返り、多職種間での役割分担による負担軽減や、情報共有の重要性を述べた。また、導入のための知識として、①連携先②皮下注射の方法③機械の操作方法④処方箋の書き方――を解説。さらに、疼痛コントロールだけではなく鎮静への応用もできるため、使い慣れることで幅が広がると期待を寄せた。
 実習では、テーブルごとにファシリテーターの指導の下、「クーデックエイミー」と「キャドレガシー」の2種類を操作。参加者は熱心に機械を操作し、技術の習得に励んだ。