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医師・医療関係者のみなさまへ

大阪府訪問看護シンポジウム

府医ニュース

2024年3月6日 第3065号

定年後の仕事の実態を講演
労働の意義で意見交換も

 大阪府医師会は令和5年11月18日午後、大阪府看護協会・大阪府訪問看護ステーション協会との共催で「第9回大阪府訪問看護シンポジウム2023」を開催。「地域共生社会の実現を目指して――地域で活動しよう! 小さな仕事も社会を救う 働くことで社会と繋がる」をテーマに府医会館およびウェブとの併用で実施され、医師・看護師ら約100人が参加した。
 開会あいさつで高井康之・府医会長は、地域共生社会に向けて、各々ができることを行い、ともに支え合って社会を築いていくことが重要になると述べた。
 基調講演では、中尾正俊・府医副会長が座長を務め、坂本貴志氏(リクルートワークス研究所研究員/アナリスト)が「定年後の仕事の実態――定年後の小さな仕事に着目して」と題して講演した。まず、近年の労働市場の変化に触れ、日本では高齢者の就業率が著しく上昇していると提示。主要先進国と比較しても高齢者の就業率は非常に高いと指摘した。また、年金給付水準の減少など経済的な要因が就業率上昇の背景にあるのではとの見解を示し、定年後も働き続けることは現代の家計にとって必須になっていると加えた。定年後の雇用制度については、定年延長の動きが広がりを見せており、65歳定年を導入する企業も増加していると説明。そのほか高齢期の仕事について、▽労働時間▽仕事に対する価値観▽仕事満足度▽幸福度――など多角的視点から解説し、現役時代の働き方との差異を示した。
 次に、「地域で活動しよう! 小さな仕事も社会を救う 働くことで社会と繋がる」をテーマにシンポジウムを実施。坂本氏、西村泉氏(公認OriHimeパイロット)、田中幸惠氏(北中島社会福祉協議会長)、岩下由美子氏(大阪府看護連盟ゆうやけ会長)――が登壇し、それぞれの活動内容等について発表後、活発な意見交換が展開された。
 最後に弘川摩子氏(大阪府看護協会長)と長濱あかし氏(大阪府訪問看護ステーション協会長)が閉会あいさつ。本シンポジウムが今後の活動に役立てばと締めくくった。