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府医ニュース

2024年3月6日 第3065号

 ◆「笛を吹いてやっても、君達は踊らなかった。弔いの歌を歌ってやっても、泣かなかった」イエス・キリストが、預言者ヨハネの語りかけを受け入れない民衆を批判した言葉である(新約聖書マタイ伝)。
 ◆「笛吹けど踊らず」はこれに由来するとされ、今は「お膳立てをし、いくらすすめ誘っても、人がこれに応じて動き出さない(広辞苑)」ことの例えに使われる。
 ◆マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」の利用率が低下し続けている。政府は紙の健康保険証の本年末での廃止を決定し、マイナ保険証への移行を速やかに進めるはずが、状況は逆行している。また、政府の業務を担う国家公務員の利用率も国民と同水準の低調さで、政府のお膝元でさえ「笛吹けど踊らず」状態である。
 ◆マイナ保険証のトラブル続出への不安と、その疎かな対応やセキュリティへの不信感が払拭されない限り、国民は到底ついて行くまい。マイナ保険証の利用促進を医療機関に向ける支援金支給という愚策にももううんざりである。(誠)