TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

医療機関における不審者対応訓練

府医ニュース

2024年3月6日 第3065号

診療所想定 寸劇で伝える

 東大阪市は、河内警察署、東大阪市消防局、東大阪市三医師会(布施医師会・河内医師会・枚岡医師会)との協力により、令和5年12月16日午後、医療機関における放火を伴う不審者対応訓練を東大阪医療センターで実施した。

 主催者を代表し、江原竜二氏(同市危機管理監)があいさつ。2年前に大阪市内の診療所で発生した放火殺人事件に触れ、「危険が迫る可能性を常に想定し、防犯意識を高めてほしい」と語った。
 訓練は、出入口が一つしかない一般的な診療所を想定し、興奮し暴れる患者に対する受付スタッフや看護師、医師の対応の失敗事例を警察官が寸劇で示した。1回目の訓練後に河内警察署および東大阪市消防局が不審者への対応を講評。改善点などを説示し、2回目の訓練では被害を最小限に抑えることができた成功例が示された。
 さらに、身近なものを使用した不審者対応では、椅子を使った対応のほか腕や胸ぐらを掴まれた際の離脱の仕方などを解説するとともに、「決して犯人を制圧しようとせず、警察が来るまでの時間を稼ぐことが重要」と注意を促した。
 訓練に参加した笠原幹司・大阪府医師会理事は、「女性医師が開設する医療機関などではスタッフ全員が女性であることも珍しくない」と指摘。不審な患者やストーカーなどを通報した際には、警察は民事不介入と言わず、適切に対応してほしいと要望した。