TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

勤務医部会活動報告

医学生と語る会2023

府医ニュース

2024年2月28日 第3064号

 1月12日夕刻、大阪市内で通算16回目の「医学生と語る会2023」が開催された。20年にCOVID―19のパンデミックが始まり、10数年続けてきた本会は、20・21・22年度の3年間、参加者が一堂に会しては開催できなかった。
 ウェブ形式で、画面の向こうにいる一人ひとりの医学生と、大阪府医師会館に集まった医師やウェブ参加の先輩医師とが、リモートで語り合った。コロナ禍での3密回避のメリットと、リモートというデメリットを経験した3年間であった。
 今年はコロナ禍が明け、医学生16人、先輩医師15人の合計31人が、梅田スカイビルの1室に集まった。A・B・C・D・E・Fの6つのテーブルを設け、A・Dテーブルには「進路の選び方や初期臨床研修制度について」、B・Eテーブルには「新専門医制度・医師の働き方改革」、C・Fテーブルには「日本の医療の今後および医師のライフプランについて」とテーマを掲げた。
 各テーブルには先輩医師と医学生がそれぞれ2~3人着席した。まず互いに自己紹介し、テーブルごとのテーマについて話し合い、さらに一人ひとりの医学生が自分の不安や疑問を伝え、先輩医師達が質問に答えた。約20分で医学生がテーブルを移動し、別のテーマ、別の先輩医師と語り合うという、いわゆる「ワールドカフェ」形式で行われた。
 その後、食事を取りながら、全体討論を行った。医学生がテーブルを越えて聞きたいことを質問し、それに答えるという時間が設けられた。
 これまでの本会での進行は、初めに参加者全員が自己紹介し、自己紹介の中で発信された医学生の感じている不安や疑問を総括して箇条化し、進行係が、その項目ごとに参加者と討論していく方式をとっていた。
 今回のワールドカフェ形式は、個々の医学生が、自分の聞きたいことをより身近に聞き、より長く話すことができる方法だと感じた。ただ、各テーブルでどんな議論がなされたのかは、他のテーブルでは聞くことができず、全体を記録する時に課題があると思われた。それでも、ワールドカフェ形式は参加者がより楽しく意見交換できる方法であることが実感できた。

11ブロック常任委員 宮越 一穂