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医師・医療関係者のみなさまへ

令和5年度 皮膚の日講演会

府医ニュース

2024年2月21日 第3063号

アレルギー疾患、アンチエイジングをテーマに講演

 大阪皮膚科医会(持田和伸会長)は11月3日午後、令和5年度「皮膚の日講演会」を実施。動画投稿サイト・ユーチューブでライブ配信した。本講演会は11月12日の「皮膚の日」に因み、皮膚疾患の啓発を目的に例年行われている。

 杉原昭・皮膚科医会副会長が司会を務め、はじめに持田・同医会長があいさつ。本日の講演会が皮膚疾患の理解につながればと期待を寄せた。
 まず、原田晋氏(はらだ皮膚科クリニック院長)が、「ちょっと意外な大人の食物アレルギー」と題して講演した。原田氏は、アレルギー反応の前提として、「感作が成立すると、それ以降はその抗原との接触で症状が誘発される」と前置き。一方で、大人の場合には、▽様々な修飾因子が共存した場合に限って症状が発現(食物依存性運動誘発アナフィラキシー)▽交差反応による症状(花粉食物アレルギー症候群、マダニ咬傷を契機に発症する獣肉アレルギーなど)▽実際のアレルゲンは食物以外のケース(お好み焼き粉・たこ焼き粉に含まれていたダニ)――など、様々なパターンを紹介。「意外な盲点が存在している」と述べ、注意を促した。
 次に同医会副会長の山田秀和氏(近畿大学医学部客員教授)が、「長寿科学の進歩」と題して講演。「老化は病」との視点でアンチエイジングを解説した。これまでのアンチエイジングは、「健康寿命延伸」に主眼を置いていたが、現在は「若返り」だと指摘。山田氏は将来的に老化を治療する時代が来れば、「まず老化を測る必要がある」と説示。生物学的な指標で確認し、DNAの塩基配列を変えずに細胞が遺伝子の働きを制御するエピジェネティクス治療が行われると見通した。また、現状の若返り対策として、①適度な運動②栄養バランスの取れた食生活③精神の安定④環境――を提示。感謝の気持ちでポジティブに考えることが大切だと述べた。