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医師・医療関係者のみなさまへ

1月度郡市区等医師会長協議会

府医ニュース

2024年2月21日 第3063号

 1月度郡市区等医師会長協議会(令和5年度第10回)が1月26日午後、大阪府医師会館で行われた。本文は高井康之会長あいさつ(要旨)。

 元日早々から能登半島で阪神・淡路大震災や熊本地震を上回るような凄まじい地震が発生した。次の日には羽田空港で航空機事故が起こり、大変な年の出だしとなった。地震はいつどこで起こるのか分からないということを痛感させられ、災害対策をしっかりと講じなければならない。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに被災された方々にお見舞いを申し上げる。
 1月5日には松本吉郎・日本医師会長から全国の医師会にJMAT(日医災害医療チーム)の派遣要請があり、府医では1月13日から先遣隊として宮川松剛理事、清水智之理事ら6人のチームを石川県へ派遣した。現在も大阪府私立病院協会等の協力の下で6チームを送り、1チーム2泊3日の体制で活動している。現地では北部の道路状況が特に悪く、交通手段も厳しい。派遣先は日々流動的で、また被災者が石川県南部の1.5次および2次避難所に移動されており、こうした方々の支援も必要だ。さらに日医から被災された医療機関や医師会等への義援金の協力要請もある。可能であれば協力をお願いしたい。
 通常国会が招集され、令和6年度予算案と能登半島地震への対応が議論されるが、政治改革も焦点になると思っている。医療情勢では、新型コロナウイルス感染者数が年末から増加傾向にあり、救急搬送例も増えている。現在のところ重症化率は低いが、終息には遠い状況である。また、新しいJN・1株も出現しており、特に高齢者や基礎疾患がある方にとっては油断できない。会員の先生方には、引き続き感染対策を講じながらの診療をお願いしたい。
 今回の診療報酬改定は昨年末に本体プラス0.88%ということで決着した。前回の改定率は0.43%程度だったので、高い水準と言える。特に医療従事者の処遇改善、賃上げを要望しており、財源が確保された。十分満足と言えるものではないが、評価には値するものと考えている。松本・日医会長をはじめ三師会や医療団体等と一致協力して国会議員、政府・与党に働き掛けた成果だと思っている。具体的な内容は中央社会保険医療協議会(中医協)で議論されており、賃上げ部分に関しては初診・再診料、入院基本料等の引き上げで対応する方向のようだ。一方で、マイナス0.25%の効率化・適正化が懸念される。最近の中医協の議論では、特定疾患療養管理料から高血圧や脂質異常症、糖尿病を除外する方針が示されており、処方箋料も再編する見通しで、特に内科系の診療所にとっては非常に厳しいと思われ、今後の対応を注視したい。
 ウクライナ、中東の戦争も終結の兆しはなく、戦闘が拡大しており、安定しない状況だ。今年は世界的な選挙の年でもあり、台湾やEU、11月にはアメリカ大統領選挙もあり、国際的にも激動の年を予感させる。
 医療界では、4月から働き方改革が始まる。どのような問題が出てくるか分からないが、適切に対応したい。感染症法に基づく医療機関と都道府県知事との協定、第8次医療計画、医療DXと問題が山積しているが、日医と協力して対応していきたい。
 私ごとではあるが、会長としての任期が6月の府医定例代議員会をもって満了となる。前会長の任期を引き継ぐ形で始まっており、実際のところ1年数カ月であった。こうした状況も踏まえ、5月頃に予定している府医臨時代議員会で改めて会長に立候補したいと思う。代議員の先生方のご承認をいただければ2期目を務めさせていただきたい。先生方のご支援を願いたい。