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医師・医療関係者のみなさまへ

本日休診

今年もやって来ました

府医ニュース

2024年2月21日 第3063号

 今年は、1月下旬あたりから、花粉症の症状を訴え受診される方が増えてきました。晴れて気温が高い日や雨上がりの翌日など、特にそう感じます。
 大阪は、2023年春に飛散量が多かった反動で2024年春は飛散量が少なくなる「裏年」傾向と言われましたが、2023年夏の記録的な暑さで、スギ雄花の生長に適した天候となり、平年並~平年を上回る飛散量が予想されています。スギの雄花は、冬の寒さを経験することで休眠から目覚め(休眠打破)、その後は暖かいほど開花が早まると言われます。この冬は、一時的な寒気の影響を受け、休眠打破はある程度進んでいたのでしょう。総じて暖冬傾向は継続しているため、花粉の飛散開始が少し早まり、日本気象協会の花粉飛散開始基準には達しないような、わずかなスギ花粉がすでに飛び始めているのかもしれません。
 捨てる季語
   拾ふ季語あり
    花粉症
      卯月きよ
 すでに「花粉症」は、春の季語として認められているそうです。2019年の鼻アレルギー全国調査によると、ほぼ3人に1人がスギ花粉症患者なので、確かに春の訪れを告げる風物詩とも言えるでしょう。
 ただ、スギに続いて、ヒノキ、カモガヤ、秋にはブタクサの花粉が飛散するように、日本では50種類以上の花粉症の原因植物が報告されており、1年を通して症状がある方々もおられますので、今後、春だけのものではなくなるかもしれません。(颯)
(引用:松原篤ら 鼻アレルギーの全国疫学調査2019 (1998年、2008年との比較):速報―耳鼻咽喉科医およびその家族を対象として 日本耳鼻咽喉科学会会報123巻〈2020〉6号)