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府医ニュース

2024年2月21日 第3063号

 ◆我が国の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した小型無人探査機「SLIM」が1月20日に月面着陸に成功した。
 ◆今回の計画の目的の一つは、目標地点から誤差100㍍以内の「ピンポイント着陸」であった。着陸直前にメインエンジン2基のうち1基を失う問題が発生したが、SLIMは着陸目標地点から東側約55㍍の場所に着陸した。
 ◆無人探査機を月面着陸させたのは旧ソ連、米国、中国、インドに次ぐ5カ国目だが、以前の着陸はいずれも目標地点から数キロから十数キロの範囲の誤差があった。今回のピンポイント着陸は世界初の快挙と言える。
 ◆その後発電ができない状況になり一時通信が途絶えたが、後に回復しSLIMは地球にデータを送ってきた。今回の探査機は日本の技術の高さを証明するため、極めて高い精度での着陸を計画していたが、概ね達成された。
 ◆我が国の宇宙開発は、新型のH3ロケットの打ち上げ失敗などが続いたため、技術力の低下が懸念されていたが、今回の快挙は久しぶりに明るいニュースとなった。(浩)