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第22回藤井寺市医師会市民公開講座

府医ニュース

2024年2月7日 第3062号

認知症の予防 阪本副会長が講演

 藤井寺市医師会(藤本恭平会長)は令和5年10月28日午後、同市内で第22回「藤井寺市医師会市民公開講座」を開催。約200人が足を運んだ。
 当日は「認知症の予防を一緒に考えましょう!――認知症や予防に関する正しい知識を身につけ、笑顔で楽しい人生を!」をテーマに実施。藤本・藤井寺市医師会長は、あいさつで高齢化に伴う認知症患者数の増加に触れ、本講座を機に正しい知識を学んでほしいと呼びかけた。次いで岡田一樹・同市長が登壇。藤井寺市民病院の閉院に理解を求めるとともに、引き続き地域医療を充実させていくと語った。
 次いで、阪本栄・大阪府医師会副会長が、「認知症の予防を一緒に考えましょう」と題して講演した。阪本副会長はまず、日本の高齢化率は世界一で、急速な高齢化への対応が急務だと指摘。令和元年に「認知症施策推進大綱」が閣議決定され、「共生」と「予防」に重点を置く方針で対策が進んでいると述べた。
 次に記憶障害や失語など認知症の中核症状を説明。あわせて、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症の三大認知症の特徴を詳説した。また、MCI(軽度認知障害)に触れ、「将来認知症に進展する可能性がある」と言及。この段階で生活習慣病の治療、運動習慣や他者と交流を深めるなどの生活習慣を見直すことが大切になると説いた。
 治療に関しては、アルツハイマー型認知症に対する新薬「レカネマブ」を解説。認知症の原因の一つとされるアミロイドβ蛋白を排除し、認知症治療として期待されているが、適用や価格などの課題があり、「さらなる整備が必要」との見方を示した。
 認知症の予防においては、禁煙・節酒や適度な運動などの生活習慣改善が効果的とアドバイス。一方で、認知症患者や家族の社会的な孤立を防ぐため、地域の支え合いが不可欠と強調。認知症の特性を理解し、「不安を軽減できる対応を心がけてほしい」と結んだ。

ケアパスで支援

 引き続き、藤井寺市地域包括支援センターから、独自の「認知症ケアパス」を用いて、認知症の進行段階に応じた支援が行われていると説示。認知症になってもいきいきと暮らせる街を目指して取り組んでいると語った。