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医師・医療関係者のみなさまへ

後期高齢者のフレイルに関する医師向け研修会

府医ニュース

2024年1月31日 第3061号

府医ホームページより視聴可能

 大阪府医師会では、令和3年度より大阪府後期高齢者医療広域連合からの委託事業として、各市町村における郡市区等医師会との連携強化およびかかりつけ医の理解促進、「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施」(以下、一体的実施)の効果的な実施を目的に「後期高齢者のフレイルに関する医師向け研修会」を開催している。
 10月25日に行われた5年度の本研修会では、まず、東真由美氏(大阪府後期高齢者医療広域連合給付課長)が講演。一体的実施の内容と各市町村での進捗状況について説明した後、身体的フレイルとオーラルフレイルを重点項目として対策を強化していくと強調した。また、「後期高齢者の質問票」の結果を活用した取り組みへの協力を依頼した。
 さらに、具体的な説明として、小林洋子氏(豊中市健康医療部コロナ健康支援課)および南口弘子氏(富田林市健康推進部福祉医療課後期高齢者医療係)が登壇。医療機関と地域包括支援センターの連携構築を目的とした「フレイル処方箋事業」や富田林医師会と協力して実施している主治医が整形外科への受診を推奨する取り組みなどが紹介された。
 続いて、宮田重樹氏(全国ストップザロコモ協議会副理事長)は、フレイル対策におけるかかりつけ医の役割の一つとして、運動指導の重要性を指摘。ロコモ度テストやロコモから寝たきりになる過程を説述したほか、ロコトレの指導方法を伝達した。
 最後に、樂木宏実氏(大阪労災病院長)が、「フレイル予防のためのかかりつけ医の役割」と題して講演した。フレイルは要介護に至る前段階と位置付けた上で、運動等による適切な介入により自立に近づけることができると説示。フレイル対策には、かかりつけ医による日常診療を通じた「治し支える」医療や生活機能の維持・回復が重要と強調し、「後期高齢者の質問票」を活用した市町村とかかりつけ医等との連携について解説した。
 本研修会のDVDは郡市区等医師会および市町村担当部局に配布するほか、動画は府医ホームページ「医師・医療関係者のみなさまへ→研修会動画・学習用資料」から視聴できる。なお、視聴にはID・パスワードが必要であるため、視聴希望の場合は、府医地域医療1課(電話06―6763―7012)まで連絡いただきたい。