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医師・医療関係者のみなさまへ

第2回小児救急医療研修会

府医ニュース

2024年1月31日 第3061号

小児の呼吸器疾患など解説

 大阪府医師会主催、大阪小児科医会後援による令和5年度第2回「小児救急医療研修会」が5年11月30日午後、府医会館で行われた。ウェブとの併用により開催され、約100人が聴講した。
 本研修会は例年3回シリーズで開催しており、今回は「小児の消化器・呼吸器・アレルギーへの対応」と題して小垣滋豊氏(大阪小児科医会理事/大阪急性期・総合医療センター小児科主任部長)が講演した。座長は久保馨氏(同医会理事/こどもクリニック久保医院長)が務めた。
 小垣氏はまず、小児のコロナウイルス感染症に言及。第6波以降は小児の中等症・重症例が増えたとし、「今後も株の変異に注意が必要」と述べた。
 続いて、呼吸器疾患の基本的な初期評価を説明。バイタルサインと合わせて①外観②循環③呼吸仕事量――に注意するよう促した。あわせて、▽ボスミン吸入で軽快しない吸気時喘鳴▽吸入前のSpO2が92%以下の喘息▽経口摂取不可▽保護者の不安が強い――などがあれば、専門医へ後送するよう訴えた。
 次いで、自院での症例を引用しながら、腹部症状を呈する疾患を解説。腹痛・嘔吐で最も多いのは急性胃腸炎とする一方で、腸重積、虫垂炎、絞扼性イレウスなどの可能性も考えておくべきとした。その上で、初期症状、患者や家族への問診で注意が必要な点を助言。さらには、腹痛の部位ごとに疑われる疾患を一覧で示した。
 最後にアレルギー疾患を説示。アナフィラキシーの重症度評価や初期対応などに触れた。そして、子どもの健康を守るため、引き続き診療連携に努めてもらいたいと結んだ。