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府医ニュース

2024年1月31日 第3061号

 ◆昨年富山型デイサービスの発祥である「このゆびとーまれ」が30周年を迎えた。急性期病院での看護ケアに疑問を持った看護師3人が富山市に開設した。
 ◆住宅地の木造民家に、保育児達がゲームに興じ、その様子を認知症の方が見守る。宿題に取り組む子も。声をかけ合い、手芸に励む様々な障害の方達。隣の部屋に昼寝の赤ちゃん。にぎやかな看取りも。家族の中という暮らしの安らぎがある。
 ◆対象を絞る従来のサービスではなく、高齢・心身障害・見守りを求める子どもなど、状況にかかわらず利用可能なデイサービスを目指す。「赤ちゃんからお年寄りまでの家族での暮らし」をモットーとする。実績が行政の縦割りを打破し、「富山型デイサービス」に。
 ◆一つ屋根の下で、人々が助け合い、子どもが成長する。富山型は真のノーマライゼーションとの共感の下、全国で3千を超える富山型が広がる。かかりつけ医の理解・支援も増えて、サービスを一層広げている。医療に疑問を持たれての始まりであったが、医療も貢献できている。(翔)