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医師・医療関係者のみなさまへ

12月度郡市区等医師会長協議会

府医ニュース

2024年1月17日 第3060号

 12月度郡市区等医師会長協議会(令和5年度第9回)が12月15日午後、大阪府医師会館で行われた。本文は高井康之会長あいさつ(要旨)。

 新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向で、季節性インフルエンザも若年層を中心に増えており、十分に警戒が必要だ。引き続き対応願いたい。
 政治情勢であるが、岸田文雄内閣や自民党の支持率が下がっており、特に政治資金問題は大きな批判を招いている。捜査等を含め今後の展開を注視したい。一方で診療報酬改定の重要な時期であり、影響が及ばないことを願っている。
 次期診療報酬改定を巡っては、診療所を狙い撃ちする財務省に対して、日本医師会も激しく反論しており、政府・与党間の議論も佳境を迎えている。財務省は今までに無いような厳しい内容を打ち出していたが、我々もまた日医もその都度反論している。改定率の大枠については財務大臣と厚生労働大臣の折衝が行われ、最終的に岸田首相が決断することになるが、恐らく今日にも決定するのではないかと思っている。財務省はプラス0.2%程度、厚労省は1%後半ということを要望しており、その間で決着するものと考えるが、できるだけプラスの方向で決まることを望む。岸田首相は医療・介護従事者約900万人の賃上げに関して一定の理解を示す国会答弁をされており、注意深く見守りたい。
 中央社会保険医療協議会で診療報酬改定について議論されているが、支払側からは外来管理加算廃止、特定疾患療養管理料算定時の要件見直しなどの厳しい意見も出されており、診療所に大きな影響を与えないよう願っている。また、薬剤の負担に関して、長期収載品と後発医薬品の差の部分を患者に一部負担させようとする論調もある。
 当初、政府は少子化対策の財源を歳出改革で捻出するという姿勢であったが、国民負担率を指標にするような方針に変えており、制度改革に係る工程表について医療・子育て・介護の各分野の制度改革のスケジュールが取りまとめられようとしている。少子高齢化が一層進む中で、後期高齢者の窓口負担を原則2割にするなどの危険性が十分に考えられ、注意が必要である。さらに、新たな経済対策に関して補正予算が成立しているが、医療・介護分野では看護補助者や介護職員の平均給与は全産業に比べて大きく下回っており、処遇改善の措置が行われるようだ。基本的には診療報酬等で恒久的なものにすることが大事だと思っている。
 物価や食材費の高騰による医療機関の負担を踏まえ、重点支援地方交付金を活用して補うことが決定しているが、府医からは三師会、病院協会、私立病院協会、医療法人協会、精神科病院協会との連名で、大阪府および大阪市に支援を要望した。大阪府は今回も前回同様、物価高騰対策一時支援金として、無床診療所には1施設あたり3万円、病院・有床診療所には1許可病床数あたり1万5千円の支給がほぼ決定している。令和6年2月13日までにオンラインで申請いただくよう会員の先生方にお伝えいただきたい。入院時の食事に係る食材料費高騰への支援金は、1許可病床数あたり6400円の支給になるようだ。
 コロナ対応、新興感染症、医療体制の充実等、トリプル改定、医師の働き方改革、次期医療計画への対応、かかりつけ医機能、サイバーセキュリティ、医療DX、医薬品の安定供給、組織強化と課題は山積しているが、円滑に会務を遂行していきたい。今後とも協力をお願いしたい。