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医師・医療関係者のみなさまへ

医学生と語る会2022

府医ニュース

2023年2月22日 第3028号

勤務医部会活動報告
11ブロック常任委員 宮越 一穂

 大阪府医師会勤務医部会では2008年から『医学生と語る会』を開催している。今、勤務医が抱えている種々の課題は、いずれ医学生が医師となり直面することになることから、故・片桐修一・同部会副部会長(当時)の発案で始められた。当初は大阪大学の学生を対象にしていたが、現在は、在阪5大学の学生を対象としている。今回で通算15回となる本会を1月13日夕刻に開催。コロナ禍のため今年もウェブ開催となった。
 はじめに杉本圭相・同部会副部会長(府医理事)が開会のあいさつ。次いで、宮越が経緯や趣旨を説明し、その後、参加者が自己紹介を行った。
 学生達の不安は、やはり専門医制度の動向にあった。特に大阪などはシーリングがあり、大阪の病院を研修病院として選んでも、研修の一定期間を地方の病院へ行かされることに嫌悪感や不信感を持っていたり、「地方では希望する診療科が無い」「親元を離れたくない」などの理由で、希望の診療科や分野を変えてでも大阪での研修を選択する事例もあるらしい。先輩医師からは、「このコースが早く専門医をとれるなどの打算はせず、自分のやりたいことをするとよい」「長い人生すべてが糧になるため制度に振り回されるな」と経験を交えながら意見交換がなされた。さらに、どの地域・どの病院で研修に臨もうと、ガッツが必要だとエールが送られた。ただ、学生達の専門医制度に関する知識や情報は、友人同士の会話や人づての知識だと言い、先輩医師からは、「専門医機構が何をどう変えたいのか」「5年先、10年先に専門医制度がどうなっているか」を国民に分かりやすく示すべきだとの意見も出された。
 そのほか、医局を選択する時の注意点や医局に入らないという選択はあるのかなどの質問がなされた。その教室(教授)の専門とする研究分野、キャリアパスの指導や助言、アルバイトや医師生活のすべての相談など、先輩達には懐かしい医局にまつわる話題が話された。
 医師の働き方改革については、勤務時間内に仕事を終えるように仕事を見直し、業務ごとに他職種にタスクシフト、タスクシェアをするべく計画しているが、逆に医師にとっては、自分の仕事や役割が問われていると再考が求められた。医師・医療の質を上げる必要があり、医師会が支えていくとの意見が出された。