TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

都道府県医師会勤務医担当理事連絡協議会

府医ニュース

2022年6月29日 第3004号

勤務医部会活動報告
新型コロナの動向を見据えた働き方など議論
府医勤務医部会副部会長(府医理事) 星賀 正明

 令和4年度都道府県医師会勤務医担当理事連絡協議会が5月27日にウェブで開催された。当日は、各都道府県医師会役員をはじめ、日本医師会役員、日医勤務医委員会委員など74人が参加した。
 冒頭、中川俊男・日医会長のあいさつに続き、4年度の全国医師会勤務医部会連絡協議会を担当する愛知県医師会より、浦田士郎理事が開催要領を紹介するとともに多数の参加を呼びかけた。
 協議では、「コロナ禍での勤務医の働く環境課題の整理と、今後のポストコロナ・ウィズコロナ時代を見据えた勤務医の働き方改革」と題し、若林久男・日医勤務医委員会委員(香川県医師会副会長)が講演を行った。
 若林氏は、まず我が国の医療の構造的課題とされてきた医療機能分化と連携不足がコロナ禍で顕在化したと前置き。その影響で病院や診療科、地域での負担の偏重が明確に表れ、メンタルヘルス不調やバーンアウトといった医療従事者を巡る問題への対応を求められることとなったと述べた。一方で、「G―MIS」「HER―SYS」などITシステムの急速な進展に触れ、地域医療連携や多職種連携など様々な分野での活用が想定されることから、勤務医の働き方にも影響を及ぼすと見通した。
 また、「第8次医療計画」「地域医療構想」に関して、中長期的に病院数や病床数がスリム化していく中で、新興感染症等で短期的な医療需要が発生した際の「スイッチ」(平時と有事の切り替え)が重要な課題であると強調した。
 引き続き、「全国における勤務医の意見集約に望まれること――全国8医師会ブロックにおける議論活性化への提言」をテーマに、渡辺憲・同勤務医委員会委員長(鳥取県医師会長)が講演。日医における勤務医会員数の構成比が2年度に50%を超えたが、▽コロナ禍で浮かび上がった過重労働▽医師の働き方改革▽新専門医制度と地域医療――など勤務医を巡る課題の議論が、日医の医療政策につながりにくかったと振り返った。その上で、課題解決のため、勤務医委員会としては全国8ブロックに設置している医師会ブロック・医師会連合へ勤務医部会もしくは委員会の設立を要望し、日医勤務医委員会で意見を集約することにより、日医の幅広い医療政策に生かすことが期待できるとの考えを示した。
 最後に、勤務医部会・委員会がすでに設立された中国・四国医師会連合「勤務医委員会」設置の経緯および規約を説明した。
 各講演後には質疑応答が行われ、活発な議論が展開された。
(本稿の肩書きは開催当時のもの)