TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

10月度郡市区等医師会長協議会

府医ニュース

2021年11月17日 第2982号

 10月度郡市区等医師会長協議会(令和3年度第7回)が10月22日午後、大阪府医師会館で行われた。本文は茂松茂人会長あいさつ(要旨)。

 気候変動の問題への注目度が高まる中、今年のノーベル物理学賞を真鍋淑郎氏が受賞された。今から50年以上前に二酸化炭素が増えることによって地球の温暖化が進むことを世界で初めて予測した先見の明には敬服する。
 新型コロナウイルスの感染者数は、9月30日の緊急事態宣言の解除後は減少傾向だが、20代から40代のワクチン接種が伸びず、冬期に第6波も考えられる。病院協会とはオール大阪で医療体制を整えるが、今後の抗体カクテル療法、そして経口ウイルス薬ができると診療所も対応していくことになる。
 なお、8月末に実施した「往診に関するアンケート」でも大阪府内で約660の医療機関が往診可能であることが分かった。そして、大阪市内でも診療所はもとより、「KISA2隊(きさつたい)」グループの下で往診が行われており、少しずつ自宅療養への体制が整ってきた。
 病床確保等の法整備については、国立・公的病院、そして自治体にも更なる病床確保の要請が出されているが、人材の確保も必要である。府医は「感染管理区域で従事する医師・看護師のための研修会」を年間3回継続して行っていく。
 また、次期の診療報酬改定では、今回、岸田文雄首相の下、厚生労働大臣に財務省出身の後藤茂之氏が就任、首相秘書官にも同省から2人の専門家を起用するなど、厳しい対応が迫られる。初・再診料や入院基本料への感染症対策実施加算が9月末で打ち切られたが、実費補助などの額が少なく、診療報酬改定の課題になる。日本医師会にはしっかり取り組んでもらわないといけない。
 財政制度等審議会では、来年度予算の政府案の閣議決定に向けた秋の建議の取りまとめが進んでいるが、コロナ禍で医療崩壊に直面したのは「低密度医療」に原因があるとし、入院包括払いの導入を求める意見もある。日本プライマリ・ケア連合学会も「かかりつけ総合医制度」の創設を提言。イギリスのGP制度や1960年代の家庭医構想が再燃しており、注視が必要だ。
 更に、初診患者へのオンライン診療▽ジェネリック医薬品メーカーの不祥事▽インフルエンザワクチンの供給不足――などの問題もある。今後、診療報酬改定に係る動きも見据えながら、府医執行部を挙げてしっかり頑張って参りたい。