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時事

中医協検証部会開催(Ⅱ)

府医ニュース

2021年5月26日 第2965号

令和2年度診療報酬改定の結果検証

 本紙第2962号の本欄に続き、令和3年3月24日に開催された中医協検証部会の「在宅医療と訪問看護に係る評価等に関する実施状況調査」の結果について報告する。
 自施設が主治医として訪問診療を提供している患者のうち、他の医療機関に訪問診療を依頼した期間別患者数(実人数)の平均値について見ると、機能強化型在支病・在支診(単独型)では「6カ月超~12カ月」が最も多く2.7人、機能強化型在支病・在支診(連携型)では「12カ月超」2.6人、在支病・在支診では「3カ月超~6カ月」「12カ月超」いずれも0.8人と多く、在支病・在支診以外では「1カ月」「1カ月超~3カ月」「3カ月超~6カ月」「6カ月超~12カ月」いずれも0.1人であった。
 自施設が主治医として訪問診療を提供している患者のうち、他の医療機関に訪問診療を依頼した患者の最も多い依頼先では「内科」「皮膚科」が同率23.1%であった。また、他の医療機関に訪問診療を依頼した対象病名は「認知症」17.9%、「皮膚疾患(褥瘡等)」15.4%、「難病(神経系)」10.3%と続き、難病については神経系以外のものも多く挙げられた。在宅医は認知症、皮膚疾患(褥瘡等)、神経系を含む難病等には対応が困難であり、連携の必要性が明らかとなった。
 訪問看護・指導体制充実加算の届出ありの場合の24時間訪問看護を提供可能な体制確保の方法では、すべての届出区分において、「自施設のみで体制を確保している」が最も多く、「他の訪問看護ステーションと連携して確保している」も同様に多かった。訪問看護・指導体制充実加算の届出ありの場合の自施設が満たしている項目については「別表第七に掲げる疾病等の患者の訪問看護を前年度に25回以上算定」や「在宅ターミナルケア加算を前年度に4回以上算定」の該当が多かった。
 訪問看護調査の結果では、機能強化型訪問看護管理療養費の届出の有無については、「あり」が468施設73.1%であった。その届出種別は「機能強化型1」が204施設43.6%、「機能強化型2」が169施設36.1%、「機能強化型3」が90施設19.2%であった。また、「なし」と回答した171事業所の届出意向については、「届出の予定はない」が76.6%で最も多かった。その届出が満たせない要件については、▽常勤の看護職員数▽ターミナルケアの実施▽重症児の受け入れ▽特定相談支援事業所等の設置▽特定相談支援事業所等におけるサービス等利用計画等の作成――が40%以上であった。地域に密着した小規模訪問看護ステーションの存続は可能であろうか。
 新型コロナウイルスの影響については、機能強化型合計の令和2年3月~10月の8カ月間の医療保険の延べ訪問回数において、前年同月と比較した際の変化の状況は、各月とも「増加した」が最も多かった。一方、機能強化型以外では「ほぼ変化なし」または「増加した」が最も多く、医療機関による往診や訪問診療とは異なる結果となったことは注目すべきである。(中)