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時事

中医協検証部会開催(Ⅰ)

府医ニュース

2021年4月28日 第2962号

令和2年度診療報酬改定の結果検証

 令和3年3月24日に中央社会保険医療協議会診療報酬改定結果検証部会(中医協検証部会)が開催され、「在宅医療と訪問看護に係る評価等に関する実施状況調査」等の結果を報告した。
 令和2年度診療報酬改定では、多様化・高度化する在宅患者の医療ニーズに応じたきめ細やかな対応促進等を目的に、平成30年度改定の際に新設された2か所目の医療機関による訪問診療の評価(在宅患者訪問診療料Ⅰ〈2〉)について、必要に応じた訪問診療の提供可能期間の延長を行えることとした。また、在宅医療の後方支援体制の確保のため、在宅療養支援病院の対象となる病院を従前の240床未満から280床未満にしたことや、24時間の往診体制を確保するための医師の待機場所に関する要件の明確化が行われた。このほか、必要な患者に速やかに適切な対応が行えるよう、(看護)小規模多機能型居宅介護への訪問診療の要件や在宅患者訪問褥瘡管理指導料の算定要件の見直し、訪問看護・指導体制充実加算の新設等が行われた。今回の調査では、その影響を検証するために在宅医療、訪問看護を実施している保険医療機関等に訪問の実施状況や患者に行われている医療内容、連携等について調査を行った。
 在宅医療調査は在宅療養支援診療所(在支診)1千施設、在宅療養支援病院(在支病)400施設、在宅時医学総合管理料等の届出を行っている診療所600施設を無作為抽出するとともに、訪問看護・指導体制充実加算の届出を行っている医療機関(全数131施設)を調査対象とした。更に、訪問看護調査として機能強化型訪問看護ステーション(全数)と無作為抽出した訪問看護ステーションの合計1千施設を対象とした。なお、あわせて訪問診療と訪問看護を行った患者も調査した。
 調査実施期間は、令和2年12月~3年1月であり、在宅医療調査は有効回答率29.2%、訪問看護調査は有効回答率64.0%であった。まず、新型コロナウイルスの影響では、2年3月~10月における患者数の前年同月との比較状況が示された。往診は減少が9.6~12.2%、増加が5.7~8.8%、訪問診療は減少が13.1~17.3%、増加が9.4~13.6%、訪問看護は減少が10.4~15.6%、増加が9.2~12.1%である。月による変動はあるものの、往診はすべての月において患者が減少した医療機関数が増加した医療機関数を上回った。訪問診療においては9月が同率、10月が減少医療機関13.1%、増加医療機関13.6%となった以外はすべて往診と同じ結果であり、在宅医療においても受診控えがみられた。
 「急性期病棟から地域包括ケア病棟等へ入院(入棟)した患者」が入院していた地域包括ケア病棟はどの医療機関が有するかについては、「機能強化型在支病・在支診」では「貴施設自身」でそれぞれ単独型75.0%、連携型31.8%であり、それ以外の在支病、在支診では「貴施設の連携医療機関」と「貴施設自身」がそれぞれ27%で最も多かった。「在宅から地域包括ケア病棟等へ入院した患者」が入院していた地域包括ケア病棟等はどの医療機関が有するかについて、「機能強化型在支病・在支診(連携型)」において、「貴施設の連携医療機関」「貴施設自身」が36.4%で最も多く、それ以外の届出区分では「貴施設自身」が最も多かった。以後については、次回担当の本欄にて報告する。(中)