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時事

匿名医療情報等の提供に関する専門委員会開催

府医ニュース

2021年2月24日 第2956号

ビッグデータの取り扱いに注目

 本紙第2942号の本欄で設置を報告した「匿名医療情報等の提供に関する専門委員会(第1回)」が、令和2年10月1日に書面開催され、12月3日には全国都市会館大ホールにて「第2回」が対面で開催された。
 設置の背景には、「医療制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律」の成立がある。改正後の健康保険法、高齢者の医療の確保に関する法律および介護保険法の規定により、厚生労働大臣は匿名診療等関連情報、匿名医療保険等関連情報および匿名介護保険等関連情報を第三者に提供することができる。また、提供を行う場合には、匿名医療データを連結して利用することができる状態(以下、連結匿名医療データ)で提供できるとされた。
 このため、匿名医療データおよび連結匿名医療データ(以下、匿名医療データ等)の第三者への提供の可否等について専門的観点から審査を行うため、社会保障審議会の権限に属せられた事項について調査審議するための専門委員会として、社会保障審議会医療保険部会に「匿名医療情報等の提供に関する専門委員会(以下、専門委員会)」を設置するとしている。
 専門委員会の構成員には日本医師会から長島公之常任理事が参画し、委員長には山本隆一・医療情報システム開発センター理事長が就任した。
 専門委員会は、匿名医療データの提供に係る事務処理、標準化並びに専門委員会が行う審査基準を定めた「匿名レセプト情報・匿名特定健診等情報の提供に関するガイドライン」および「匿名医療等関連情報の提供に関するガイドライン」等について検討を行う。また、匿名医療データの提供申出があった場合には、当該提供申出のあった匿名医療データの利用について、相当の公益性の有無を(1)匿名医療データの利用目的(2)匿名医療データの利用内容(3)成果物の内容およびその公表方法――等を踏まえて判断するとともに、不適切利用による個人の権利利益の侵害防止の有無等も含め総合的に審査する。
 運営については、原則として年に4回専門委員会を開催し、議事は提供申出の対象となる情報について、個人の情報の保護等の観点から特別な配慮が必要と認める場合を除き、原則公開とする。検討の結果については、医療保険部会に年次の報告を行う。なお、専門委員会の議決は「匿名医療・介護情報等の提供に関する委員会」に報告の上で、医療保険部会長の同意を得て、部会の議決とすることができる。庶務は厚労省保険局医療介護連携政策課において行う。
 第2回委員会の議事「訪問看護のオンライン請求について」等は次回担当の本欄にて報告の予定であるが、令和4年度には実施予定とのことである。
(中)