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医師・医療関係者のみなさまへ

府医・大病協・私病協の合同懇談会

府医ニュース

2020年11月4日 第2945号

秋冬の新型コロナ対策で意見交換

 大阪府医師会・大阪府病院協会(大病協/佐々木洋会長)・大阪府私立病院協会(私病協/生野弘道会長)は10月15日午後、大阪府病院年金会館で令和2年度合同懇談会を開催。25人が出席した。
 今年度は大道道大・私病協副会長が進行を務め、はじめに各団体の代表があいさつ。茂松茂人・府医会長は、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)対応の中、大阪では救急患者の多くを民間病院が受け持つことで地域医療が成り立っているとし、日々の尽力に謝意を述べた。今後、かかりつけ医には、秋冬に向けての発熱患者対応の役割を果たすことが求められるが、医療関係者が総力を挙げて、新型コロナに立ち向かいたいと力説。また、地域医療構想では「平時・救急・災害の場面で、ベッドを流用できる計画の見直し」などの協力を呼びかけた。
 佐々木・大病協会長は、11月の大阪都構想の住民投票に触れ、実現された場合は大阪市が廃止され4つの特別区となり、保健所や公的機関の配置など多様な問題が発生し、地域医療構想も考え直す必要があると指摘。また、日本の新型コロナ感染者・死亡者数は、世界と比較して少なく、日本全体の感染防止の取り組みは評価したいと言明した。生野・私病協会長は、新型コロナの第3波を食い止めるため、オール大阪で診療所と病院が各役割を果たし、新型コロナ禍に対したいと今後の一層の連携に期待を寄せた。
 懇談では、宮川松剛・府医理事が「第1・2波を踏まえた、今後の新型コロナへの対応」と題し現状と課題を詳説。まず、国が9月4日の事務連絡で示した「秋冬に向けた発熱患者等の相談・外来診療・検査フロー」では、かかりつけ医が陽性患者を診た場合に、入院調整や搬送までの管理など保健所の業務まで担うことになり「受け入れ難い」と断じた。府医は、大阪府と交渉の上、保健所機能をしっかりと位置付け、入院フォローアップセンター設置など府独自のスキームを構築したと力を込めた。それらを踏まえ、現在「発熱患者等の診察・検査体制にかかる調査」が実施されていると報告。今後は、医療の現状を府民に理解してもらい、医療者の感染リスクを軽減しながら、各機関ができる範囲でベターな診療の選択を行っていくことが重要と述べた。
 その後、活発な意見交換が行われ、日々の診療の中で発熱患者を導線や時間帯を分けて診ることは難しいが、今後もこれまでの活動と同様に「個々の医療機関が地域の実情に合わせて対応していく」ことが望ましいとの意見でまとまった。
 最後に、大道・私病協、今井康陽・大病協の両副会長から、府医が行政との対応に苦慮していることに対し、病院協会もぜひ連携を取り、ともに対応したいと力強い協力要請があり締めくくられた。