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死亡消費税とは

府医ニュース

2020年9月16日 第2940号

 平成25年、社会保障制度改革国民会議」で委員である伊藤元重・東京大学教授が個人的なアイデアと死亡消費税を提案した。伊藤氏は次のように言う。
 「60歳で定年されて85歳で亡くなった間に一生懸命消費して日本の景気に貢献してくださった方は消費税を払ってお亡くなりになる。60~85歳の間消費を抑え、お金をお使いにならないで貯め込んだ方は消費税を払わないでお亡くなりになる。しかもそれが相当な金額にならない限りは、遺産相続税の対象にはならない。ですから、生前にお払いにならなかった消費税を少しいただくという意味も込めて、死亡時の遺産に消費税的な税金をかけるという考え方があり得ます」。
 「低福祉高負担」が進むであろう新自由主義全盛の近未来を予想する私は、もしもの時のために消費を抑え、老後のための貯蓄をする予定である。デフレ下でお金の価値が上がっている中、国民が消費せずに貯蓄に回す傾向は理にかなっているはずだ。つまり、今、我が国では、消費に対する罰金(消費税)を更にかけ続けているのだから、消費が伸びないのは当然なのである。そういう状況で、「逆のインセンティブ」として死亡時の貯蓄に税をかけるというのはあまりにも無慈悲過ぎやしないか。
 一時期、医療費の財源として消費増税を言い出した論者がいたが、次にクローズアップされる財源候補のひとつが死亡消費税であろう。これは、消費税導入と同じく、法人減税のための新たな税制創出だと私は捉える。消費増税によるデフレ不況に加え、コロナ禍で経済活動が縮小している今は、政府支出で補償を全国民、事業所に行うべきではないか。当然、医療費の緊急財源も政府支出が望ましいと強く訴えたい。(真)