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医師・医療関係者のみなさまへ

拡大鏡

府医ニュース

2020年9月16日 第2940号

 ◆「グローバル化の進展に伴い製造拠点の国際分業が進むと、スキルおよび賃金の二極化現象が起きる可能性がある」と、内閣府が公表した『世界経済の潮流2016年』にある。既に世界は格差拡大というグローバル化のリスクに直面し、この国の行く末も強く懸念される。
 ◆コロナ禍の中、特に医療に関わる製造とスキルの海外依存度の高さが顕在化し、その危うさが浮き彫りになっている。
 ◆マスクやガウンなどの医療用防護具不足は忽ち深刻になり、米国で作りすぎた人工呼吸器を購入する約束をしたとの報道もあった。最近では、安全性も有効性も不確かなまま海外開発ワクチンの購入の契約を結んでいる。一方、既に欧州で実績のあった日本製の全自動PCR検査装置が、逆に日本では認可されていなかった。
 ◆政府は精一杯のコロナ対策、体制整備を進めているのであろうが、いかにもちぐはぐである。解決策が海外頼みのせいか、足元が見えていないようだ。この国には、自前で緊急医療提供体制を整える力があると信じている。(誠)