TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

新春のごあいさつ

大阪府医師会 副会長  加納 康至

府医ニュース

2020年1月1日 第2915号

様々な「備え」が大切

 新年明けましておめでとうございます。会員の皆様におかれましては、健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、昨年のラグビーワールドカップを上回る盛り上がりが予想されます。熱狂することを否定はしませんが、教育や医療といった社会的共通資本の充実こそが大事だということに気付いてほしいと思います。
 担当分野では、今後の労働力不足を補う上でも、高齢者や療養中の人にもできる範囲で活躍願わねばなりません。既に始まっている「治療と仕事の両立支援」が更に重要になります。同時に、労働者の高齢化に伴う有病率の上昇と、心身機能や危機回避能力の低下は避け難いことから、労働者を守るための産業医活動や労災医療は今以上の充実・発展が求められます。
 救急医療では、高齢化に伴う対応件数の増加が予想され、受け入れ困難例を含めた受け入れ先の確保や体制の充実が求められます。
 災害医療では、昨年も自然災害が日本各地で甚大な被害をもたらし、今や災害列島と言っても過言ではない状況です。そんな中、南海トラフ地震だけではなく様々な災害への備えが急務となっています。地域医療構想の中での災害医療対策という視点も重要で、災害時の需用増大を織り込んだ地域医療構想が必要です。もちろん日常の訓練も大事で、日本医師会や大阪府医師会のJMAT研修を受けて役割分担を理解していただき、いざという時には、それぞれの働きが有効かつ機能的に発揮されるよう努力したいと思います。
 昨年、看護専門学校では最後の戴帽式を行いました。この学生さんの全員を立派な看護師として送り出せるように努めてまいります。また、保健医療センターも設立当初とは変化したニーズに応えられるよう進化できればと考えております。
 最後に、府医の仕事は増え続けていますが、会務が滞りなく遂行できるよう、庶務・経理の仕事をしっかりと支えるとともに、医師会の組織力強化も進めてまいります。
 これからも会員の皆様のご支援とご指導を賜りますようお願い申し上げ、新年のごあいさつとさせていただきます。