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医師・医療関係者のみなさまへ

大阪府女医会学術講演会

府医ニュース

2019年11月27日 第2911号

今日から始めよう! 認知症の予防

 大阪府女医会(杉本睦子会長)は10月26日午後、第13回学術講演会を大阪市内で開催。「今日から始めよう!認知症の予防」をテーマに2題の講演を行い、約90人が受講した。

 司会は坂口依理子理事が務め、はじめに杉本会長があいさつ。日頃の同医会活動への理解・協力に謝意を述べるとともに、本講演会が高齢者の健康と安全を守るための一助になればと期待を込めた。
 まず、可児佐和子理事が座長を務め、舩槻紀也氏(関西医科大学精神科学教室)が「認知症による摂食・嚥下障害――認知症予防についての最近の見解」と題して講演。認知症患者の現状・推移を示した上で、症状や診断の流れを解説した。診断時のポイントとして、①加齢性変化の範囲を逸脱していないか②急性期変化が生じていないか③原因となる病気は何か――を挙げた。また、生活習慣病や運動・食事・飲酒などとの関連にも触れ、予防の重要性を強調した。
 続いて、酒谷省子理事の座長の下、山崎康弘氏(東京医科歯科大学大学院医歯学総合科/本田歯科クリニック)が「気づいてあげよう嚥下障害『内視鏡検査の実際』――口腔内フレイルの予防等」をテーマに登壇。加齢に伴い嚥下機能は衰えるとし、高齢者の死因として誤嚥性肺炎が多い状況を示した。また、禁食は認知機能、ADL、嚥下機能、消化機能の低下につながると述べ、経口摂取の重要性を指摘。更に、口腔ケアによる誤嚥性肺炎や認知症への効果や、オーラルフレイルの予防についても触れた。
 その後、千代松亜季氏(大和病院言語聴覚士)が嚥下障害の予防のためのリハビリテーションについて、訓練方法などを具体的にアドバイスした。