TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

時の話題

「医師の働き方改革の推進に関する検討会」
実効性ある改革に向けて

府医ニュース

2019年10月16日 第2907号

 9月2日、「第2回医師の働き方改革の推進に関する検討会」が開催された。今回の検討会では、①追加的健康確保措置の履行確保の枠組み②医師労働時間短縮計画および評価機能の在り方が協議事項とされた。
 先の「医師の働き方改革の推進に関する検討会」報告書では、医師の時間外労働規制については(A)(B)(C)水準として時間数が規定されたが、追加的健康確保措置として、月の上限を超える場合の面接指導と就業上の措置(いわゆるドクターストップ)も併せて規定された。
 就業上の措置としての連続勤務時間制限28時間・勤務間インターバル9時間の確保・代償休息セットは、(A)水準については努力義務、(B)(C)水準については義務化された。更に面接指導を行うことで医療の安全や質の確保等の観点から、過労により健康を害した医師が医療提供体制を担うことのないようにするために求めるものとの位置付けで、医事法制・医療政策における義務付け等を行う方向で法制上の措置を引き続き検討するとされていた。
 今回の推進に関する検討会では、履行確保の確認は都道府県が行うことになるが、その際、医療法第25条第1項に規定する全病院に対して原則毎年1回実施される立入検査の中で確認する案が示された。更に措置が未実施であった場合には、改善に向けた取り組みとして、まず、立入検査を通じて指導を行うことと併せて、都道府県(医療勤務環境支援センターを含む)において必要な支援を行うほか、必要に応じて地域医療対策協議会等を活用した医師の確保や地域の医療提供体制の機能分化・連携等の措置を行う。それでもなお、措置が実施されない場合は、都道府県が改善命令の措置を行い、最終的に改善命令に従わない場合には(B)(C)水準医療機関の特定取消や罰則の適用を行うといった、あくまでも改善を主眼に置いた段階的な履行確保の枠組みとしてはどうかといった案が示された。
 また、管理者マネージメント研修やタスクシフティング等が計画的に推進されること、医師労働時間短縮については、評価機能による長時間労働の実態および労働時間短縮の取り組み状況の分析評価に基づき、当該医療機関内および地域医療提供体制における労働時間短縮に向けた対応の進捗が確認され、医師労働時間短縮計画等の見直しにより追加的な対応が取られていることを求める。
 第3回以降の検討会では、地域医療確保暫定特例水準および集中的技能向上水準の特定の枠組み((C)―2の範囲および審査組織を含む)、評価機能の在り方などが協議され、12月を目途に一定の取りまとめが行われる予定である。2024年4月に向けて自院の医療機能の再確認とともに、労務管理の更なる整備が求められる。