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医師・医療関係者のみなさまへ

府医役員と勤務医部会役員との懇談会

府医ニュース

2019年9月18日 第2904号

松本日医常任理事
医師の働き方改革について講演

 大阪府医師会勤務医部会は、9月5日夕刻、府医会館で令和元年度府医役員と勤務医部会役員との懇談会を開催。医師の働き方改革を懇談テーマとし、府医役員13人、勤務医部会役員22人が出席した。

 幸原晴彦・勤務医部会副部会長の司会により開会し、茂松茂人・府医会長があいさつ。「昨年度と同じく医師の働き方改革をテーマとしたが、1年の間に刻々と状況が変化している」とした上で、国民の健康を守ることと、医師の健康への配慮のバランスを取ることの困難さを強調した。また、医師の働き方改革においては、タスクシフティングや応召義務をはじめとする様々な問題が山積しているとし、国民の理解を得ながら議論を進めなければならないと力説した。
 続いて星賀正明・同部会副部会長(府医理事)を座長に、松本吉郎・日本医師会常任理事が「医師の働き方改革について」と題して講演。
 まず、労働時間に関する制度の見直し、産業医・産業保健機能の強化、勤務間インターバル制度の導入促進など、働き方改革関連法の概要について解説した。
 次に、医師の働き方改革検討会報告書の概要について説明。医師の時間外労働規制、医師の労働時間に係る論点の取り扱い(宿日直・研鑚)、医療提供体制の変化を踏まえた応召義務の在り方などについて解説するとともに、まず医療提供体制をどうすべきかに関して議論する必要があったとした。
 また、今から取り組むこととして、地域医療支援センターと医療勤務環境改善支援センターの連携、全国社会保険労務士会連合会との共催研修などを挙げた上で、地域医療の継続性と医師の健康への配慮の両立が、医師の働き方改革の基本理念であると断言。更に、地域医療構想、医師需給・医師偏在、医師の働き方改革のすべてが関連しているため、全体の状況を確認しながら慎重に進めていかねばならないと訴えた。
 意見交換では、宿日直勤務、交代制勤務、タスクシフティング、副業・兼業の取り扱いなどに関する質問が出されたほか、働き方改革に伴って増加する人件費を診療報酬などで補填すべき、表面的な改革ではなく現場の事例を積み上げた改革とすべきなどの意見が出された。
 最後に、澤芳樹・同部会長(府医副会長)が、様々な診療科や様々な医療機関の形態があるにも関わらず画一的に働き方改革の議論が進められている現状を問題視。現場の実態に合わせて改革を進めるべきと訴えた。