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府医ニュース

2019年9月18日 第2904号

 ◆旧暦8月15日は中秋の名月。新芋の収穫を祝い、芋名月とも呼ばれる。満月は生活の節目として楽しまれる。
 ◆人に身近な天体である月は、その引力で潮汐を生み出す。月・地球・太陽が一直線に並ぶ満月の真夜中(南中)に満潮がおこると習っていた。しかし、実際は3~6時間遅くなっている。ずれは地域で異なっている。主には2つの要因という。
 ◆海水の上下運動での慣性で、月が南中を通過した後も海面は上昇し続ける。海底や海岸線の地形による潮流の乱れがある。鳴戸の渦潮は、海峡の両側での潮汐のずれによっている。更に地球の自転など不明な要因が多く、AIを駆使しても潮汐の正確な予測モデルはできていない。
 ◆AIによる臨床診断が試みられている。ただし、AIに与えられるデータは、人が認識したもので、片寄りがおこり得る。認識できていない要因も多いだろう。潮汐の予測と同様に、診断の精度に完成はない。人がルールを作った囲碁・将棋とは勝手が違う。AI診断でも専門医の洞察力が欠かせない。(翔)