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医師・医療関係者のみなさまへ

寝屋川市医師会「健康長生塾」

府医ニュース

2019年6月26日 第2896号

健康で明るい暮らしを築く

 寝屋川市医師会(香川英生会長)は寝屋川市との共催で、27回目となる「健康長生塾」(今期理事長=広瀬慶輔・寝屋川市長、塾長=香川会長)を開塾した。本催しは市民の健康づくりへの意識を高め、生活習慣の改善に寄与することを目的に、平成5年から毎年開催。6月から8月の3カ月間で計7日間にわたり、医師・歯科医師・薬剤師をはじめとする専門講師による講義のほか、試食会や体力測定などの取り組みを予定している。
 6月6日に同市で行われた開塾式には、約80人の市民が参加。開塾にあたり広瀬市長は、同市がシルバー世代の多い町だと言及。市民が長生塾で学んだ内容を持ち帰り、仲間と共有することで、豊かな生活を過ごしてほしいと述べた。次に、香川会長があいさつ。要介護・要支援のリスクが高まっている状態であるフレイルについて触れ、本催しがその予防と健康寿命延伸の一助になることを期待すると語った。
 開塾式の後は桝田理・同医師会顧問を座長に、上田祐輔氏(関西医科大学香里病院整形外科診療部長)が「骨密度について」と題して、特別講演を行った。上田氏はまず、骨密度に関する年代別のデータから、骨密度が経年的に低下していくことを示し、そのメカニズムを概説。骨密度の低下を原因として骨粗鬆症に陥ることにより、移動能力・体力の低下や寝たきりのリスクが高まるとした。続いて、予防・対策のための食事療法および運動療法を紹介。また、薬物治療に関しては、症状や病気の進行度により治療に用いる薬が異なることを説明した。
 結びにあたり上田氏は、骨粗鬆症を「自覚症状のなさから、予防が非常に難しい病気」であると指摘。「いつの間にか骨折している」といったことが起きないように、年に1度は骨密度検診を受け、日頃から健康づくりへの意識を高めてほしいと締めくくった。