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医師・医療関係者のみなさまへ

平成30年度 「家族計画・母体保護法指導者講習会」伝達講習会

府医ニュース

2019年2月27日 第2884号

妊娠前から健康管理を

 日本医師会・厚生労働省主催「平成30年度家族計画・母体保護法指導者講習会」の伝達講習会が1月31日午後、大阪府医師会館で開かれた。30年12月1日に日医で開かれた指導者講習会の伝達講習に加え、前厚労省医政局総務課医療安全推進室長補佐の中川慧氏(大阪大学医学部附属病院産科・婦人科助教)による講演が行われ、母体保護法指定医師ら約300人が参加した。

 冒頭、加納康至副会長はあいさつで、母体保護法は、行政行為が都道府県医師会に委譲された唯一の法律と説明。医師会が負う責任を重く受け止め、大阪産婦人科医会と連携しながら、指定医師の研修や啓発など、法律を遵守する観点から継続的に実施しているとした。また、風しんの罹患者数の増加や、妊婦の採血液による胎児の遺伝子診断の話題に触れながら、産科・婦人科医療は少子高齢化という社会環境の変化や医師偏在などの問題を抱えて難しい状況にあると述べた上で、住民や患者の医療を確保・充実させるため、一層の尽力を依頼した。
 座長は、志村研太郎・大阪産婦人科医会長が務めた。伝達講習では、齋田幸次氏(府医母体保護法指定医審査委員会委員/同医会評議員)および巽啓司氏(同委員/同医会理事)が講師を務め、「女性に寄り添う産婦人科医療のあり方について」をテーマに、妊娠前からの健康管理や遺伝カウンセリングに関して詳説した。
 続いて登壇した中川氏は、「医療安全の移り変わりとこれから――産婦人科医療を中心に」と題して講演。医事過誤や医療安全に関する取り組みの経緯を概説した上で、エラーが起こる仕組みを具体的に挙げながら説明。緊急時の特殊状況下における対応も想定しながら、「チームやシステムとして事故を減らす努力が必要」と理解を求めた。
 最後に、笠原幹司理事が、母体保護法を改めて解説するとともに、適切な運用を呼びかけた。