TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

中央区地域ケア研究集会

府医ニュース

2019年2月6日 第2882号

多職種連携の更なる推進へ

 第8回中央区地域ケア研究集会が平成30年12月1日午後、同区民センターで開催された。同集会は中央区南医師会・東医師会の主催で23年度より実施。今年度は「災害に備える今からのネットワークづくり」をテーマに、医療・看護・介護の専門職や行政関係者など152人が参加した。
 開会にあたり、安田光隆・中央区南医師会長があいさつ。我が国の医療は「病院完結型」から「地域完結型」へと変遷し、「治し、支える」時代になったと言及。在宅医療に取り組む医師の充実に向けて、多職種連携の更なる推進を呼びかけた。吉村浩・中央区長は、大規模災害に備えて機能強化を図っていると述べ、理解と協力を要請した。
 続いて、中林仁美氏(中央区南医師会/中林クリニック院長)と藪納裕子氏(まっちゃ町ケアステーション)が座長を務め、事例・研究報告を実施。認知症のため適切なサービス介入が困難な独居高齢者への支援、白質脳症の若年者に対する在宅歯科治療の症例、残薬解消法、「定期巡回随時対応型訪問介護看護」などが紹介された。災害時の取り組みでは、在宅酸素療法患者への対応、「お薬手帳」の活用のほか、訪問看護ステーションから、発生時のフローチャートや検討状況が示された。
 区役所の担当者より災害対策本部の体制に関する説明の後、黒田和伸氏(KZ総合防災企画)を講師にグループワークを展開。参加者は職種ごとに分かれ、「発災後1時間」「発災後1~6時間」の対応・活動を話し合った。黒田氏は災害対策本部の設置、情報の集約・共有の重要性を指摘するとともに、職員や関係者、利用者への普及を促した。
 講評・閉会のあいさつで前久保邦昭・中央区東医師会長は、同区での地域包括ケアシステムの推進には、普段からのネットワークづくりが肝要と改めて強調。「震災時には平時からの取り組みが試される」と述べ、一層の連携に期待を込めた。