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医師・医療関係者のみなさまへ

女性医師の勤務環境整備など協議

府医ニュース

2019年1月30日 第2881号

病院管理者等を対象に講習会

 大阪府医師会は日本医師会と共催し、平成30年11月30日午後、府医会館で「女性医師の勤務環境の整備に関する病院長、病院開設者・管理者等への講習会」を実施。「女性医師のキャリア形成と働き方を支えるために」をテーマに、工藤眞由美氏(大阪大学理事・副学長/男女協働推進センター長)ら3人の講師を迎えた。
 冒頭のあいさつで茂松茂人会長は、女性医師が働きやすい環境づくりを目指した府医の取り組みを紹介した上で、今後もすべての医師がしっかりと役割を果たせるよう尽力したいと述べた。
 座長は大薗恵一氏(大阪大学大学院医学系研究科小児科学教授)・笠原幹司理事が務めた。工藤氏は「働き方改革と意識改革――アンコンシャスバイアスを中心に」と題して講演。日本における「妻は家庭を守るべき」という考えは世界各国と比較しても根強いが、20歳代を中心に若年層で変化しつつあると指摘。魅力ある職場環境の構築、医療安全の視点からも対策が求められるとした。一方で、女性への過剰な配慮は、善意によるバイアスで経験不足につながりやすいとして、「必要な支援は本人に意向を確認することが大切」と加えた。
 その後、惠谷ゆり氏(大阪母子医療センター消化器・内分泌科主任部長)が「真の男女共同参画を目指して」と題し、自身の経験や活動から就労継続支援の重要性を述べるとともに、「支援する側を支援する」ことの大切さを強調した。弁護士の横井盛也氏は「(女性)医師の勤務環境の整備と法」について、病院常勤勤務医の勤務時間が、過労死ラインの80時間を平均値で超えるなどの問題点を指摘。男性医師も平等に勤務体制を変えるべきと語った。