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医師・医療関係者のみなさまへ

大阪府内科医会市民公開講座

府医ニュース

2018年11月28日 第2875号

COPDにご用心
禁煙・呼吸機能検査呼びかける

 大阪府内科医会(福田正博会長)は11月3日午後、大阪市内で「あなたの肺は大丈夫?――知られざる病COPD」をテーマに、第20回目となる「市民公開講座」を開催。約250人の市民が聴講した。
 主催者あいさつで福田会長は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)に関して、認知度は低いものの、生活習慣病のひとつとして増加していると言及。講演やパネルディスカッションを通じ、健康の一助になるよう期待を寄せた。
 続いて、佐々木徳久理事が「現代社会に忍びよるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の脅威」と題して講演を行った。日本では、40歳以上の約530万人、70歳以上では約210万人がCOPDに罹患しており、喫煙(受動喫煙を含む)や加齢に伴う併存症が多いと述べた。呼吸困難、特に「息を吐きにくい」といった症状のほか、咳や痰が続くものの、罹患当初の症状が乏しいと説明。また、進行が遅いため、「息苦しくなるので階段を使わない」など、症状にライフスタイルを合わせる傾向にあると指摘した。その上で、禁煙はもちろんのこと、早期発見のため、まず呼吸機能検査(スパイロメトリー)を受けてほしいと促した。あわせて治療について紹介し、適切な治療と運動療法、栄養療法で重症化を予防してほしいとまとめた。
 トレーナーの森祐子氏による健康体操でリフレッシュした後、パネルディスカッションを展開。コーディネーターは福田会長、外山学副会長が務めた。藤澤智巳氏(堺市立総合医療センター糖尿病内科部長・糖尿病センター長/大阪大学医学部臨床教授)、近藤直緒美氏(大阪府薬剤師会常務理事)、同医会理事の佐々木氏と矢木泰弘氏が登壇。食生活やワクチン接種、喫煙、運動療法など、COPDの予防と対策について、各氏がアドバイスを行った。このほか、「災害時の受診」に関しても意見を交換した。
 最後に、恒例となっている「みんなで歌おう」コーナーが開催された。歌唱指導の際、藤沢氏「腹式呼吸」「リズム感」「認知症予防」を意識してほしいと課題を提示。参加者は悪戦苦闘しながらも、楽しく、大きな声で「ふるさと」を熱唱した。