
TO DOCTOR
医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース
2026年3月18日 第3138号
大阪府医師会執行部は令和7年12月20日から21日の日程で台湾を訪問。加納康至会長をはじめ6人が台北医学大学や新北市醫師公會の幹部らを表敬し、昨夏の来阪に改めて感謝の意を示すとともに、互いの医療を取り巻く環境や取り組みに対してさらに理解を深めた。
台湾・桃園国際空港の到着出口では、新北市醫師公會関係者らが揃って歓迎。再会を喜び合った後、府医の訪問団は台北医学大学附属病院を視察した。担当者から、当病院の最新機材を導入したがん治療、ロボット治療、ステント治療のほか、近年特に力を入れているITを用いた「スマートケア」などについて解説がなされた。また、病院側による退院後の患者の24時間管理システムの構築や、AIを用いた術前患者の様態把握など、医療DXに力を入れていると説示。ロボット開発を行い人員などの不足を補いつつ、コメディカルも活用していると加えた。あわせて、AIを駆使した患者の抽出や迅速な診断の利点などが紹介された。
その後、同醫師公會の進行により懇談会を開催。顔鴻順・同醫師公會理事長は、「何度も府医に打診し、ようやく台湾を訪問してくれた」と笑顔を見せ、両会の交流を通じて得る学びは多いと語った。加納会長は厚遇に感謝を述べるとともに、事前に寄せられた質問事項に答えながら、当懇談会が双方の有する課題解決に向けた一助になればと期待を寄せた。
意見交換では、同醫師公會側が台湾の健康保険制度には財政的な課題が多いと前置き。人材不足により、一部の診療科を閉じる医療機関もあると明かし、日本の状況を問うた。日本においても、公定価格である診療報酬の点数が引き上がらないために、物価・賃金上昇に対応できていないと説明。特に看護師不足は大きな問題だとし、潜在看護師の掘り起こしや看護系大学の定員割れなど課題を列挙した。給与水準の低さが人材流出の大きな理由の一つとし、医療機関経営の安定化に向け全力を尽くしていると述べた。府医からは、医師会の組織力強化について発言。入会率の低さによる発信力の低下を食い止めるため、入会率を高めることが喫緊の課題としつつ、自由診療などが増えるとさらに入会者が減るのではと懸念した。それに対し、台湾では全医師に入会が義務付けられており、政治に対する影響力もあると回答。強制加入のため、入会金・年会費が安価に設定されており(ともに3万円程度)、大きな負担ではないと説明した。そのほか、医療機関の倒産問題などが話題に上がり、構造的な問題などが語られた。