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令和8年度診療報酬改定本体3.09%引き上げ

府医ニュース

2026年3月4日 第3137号

段階的措置、9年度は加減算

 令和8年度診療報酬改定で、医師の技術料や人件費にあたる「本体部分」の改定率は、30年ぶりの大幅な引き上げとなる3.09%とすることで7年12月19日に決着した。物価・賃金上昇により病院の7割、診療所の4割が赤字経営になるなど医療機関の経営悪化を根拠に厚生労働省は3%超、財務省は1%程度の引き上げを主張していたが、上記の通り決着した。今回の引き上げ率が大幅に高くなったことで、病院関係団体、日本医師会は概ね評価している。8年度は2.41%(国費2348億円)、9年度は3.77%の2段階の引き上げで、平均3.09%となる。9年度は経済・物価変動、賃金上昇、医療経営状況を調査した上で、予算編成での加減算も明記された。松本吉郎・日医会長の提案が受け入れられた形である。
 3.09%のうち賃上げ対応分は1.70%(8年度1.23%、9年度2.18%)で、両年度で3.20%分のベア実現を目指す。現行のベースアップ評価料は継続され、対象職種を拡大し、事務の簡素化もしながら、8年度・9年度と段階的に評価する。
 物価対応分は1.29%で、内訳は6年度・7年度分0.44%、8年度・9年度分0.76%、食費・光熱水費関連0.09%の財源を充てる。外来の6年度・7年度の対応分は、初・再診料の増額で対応。入院も6年度・7年度の対応分は、入院料増額で対応。8年度・9年度の対応分は「物価上昇に関する評価」を新設し、初・再診料や入院料算定時に評価する。そのほかの物価関連として、6年度改定以降の経営環境悪化を踏まえた緊急対応分として、0.44%が措置される。病院に0.40%、医科診療所に0.02%など、めりはりの対応となる。
 通常改定分は0.25%で、医療技術の高度化に対応するほか、地域の救急医療を支えるなど医療機関の機能を考えて配分される。通常改定分の配分は、医科・歯科・調剤の配分比率1:1.1:0.3としている。
 8年度診療報酬改定の詳細は今後明らかになっていくが、医療機関の経営環境を改善しながら、現役世代の社会保険料の負担増にならないように配慮した引き上げ率であろうか。社会保障費の給付と負担については、今後高市早苗首相が設置する「国民会議」で議論されていくことになる。