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医師・医療関係者のみなさまへ

障がい福祉サービスに関するお知らせ(大阪府)

府医ニュース

2026年3月4日 第3137号

重度障がい者が入院する場合
医療従事者とのコミュニケーションを支援する「重度訪問介護ヘルパー」の付き添いが可能

 重度の障がいで意思疎通に支援が必要な方が入院する場合、重度訪問介護ヘルパーの付き添いが可能です。
 入院中の最重度の障がい者のコミュニケーションを支援することで、患者(障がい者)本人が必要とする支援内容を、医師や看護師等の医療従事者などに的確に伝えることができ、安心して入院中の治療を受け、療養生活を送ることができます。

入院中の重度訪問介護の利用について

 コミュニケーションに特別な技術が必要な障がいのある患者が医療機関に入院する場合、入院前から支援を行っている等、その患者へのコミュニケーション支援に熟知している支援者が、患者の負担で入院中に付き添うことが可能となっています。

実際に受け入れを行った医療機関の事例

事前の準備
・院内の医療連携室(社会福祉士等)により、事前に医師や看護師に対し、入院中の重度訪問介護の利用などの制度が周知されており、受け入れがスムーズに進んだ
・入院前に、医療機関の職員と重度訪問介護事業所の職員において、入院する障がい者の障がい特性(障がいの状態、介助方法、体位変換、食事、排泄等)など情報の共有や受け入れの流れを確認した
・院内や地域に向けて、患者家族と協同で入院中の重度訪問介護について講演会を開催し、皆の理解を深めた

入院時の対応
・支援者にも院内ではマスクや手指消毒を徹底してもらうほか、発熱などの症状が無いか申告してもらった
・以前はPCR検査等を行っていたが、今は体調チェックシートの記入をお願いしている

支援者の付き添い事例・効果
・重度の障がいのため、体が動かず、言葉も発せられない状態で、自分ではナースコールを押すこともできなかった。患者本人を熟知する支援者(ヘルパー)が入院時に付き添ったことで、体が痛い、体勢を変えて欲しいなど、医療従事者に患者の意思のくみ取り方が共有できた
・重度の障がいのため言葉がうまく話せず、ジェスチャーや表情で、患者本人の意思をくみ取る必要があった。また、慣れない場所では不安でパニックになり、点滴や酸素投与のマスクを取ってしまうこともあった。患者本人の支援に慣れている支援者(ヘルパー)が入院時に付き添ったことで、パニックを起こすことなく落ち着いて治療が受けられた
・重度の障がいで発声ができず、不安が高まると筋緊張が強くなってしまう患者だったが、慣れた支援者(ヘルパー)の付き添いによる意思疎通の支援により、本人の不安の軽減にもつながり、入院中はそのようなこともほとんど起こらなかった

特別なコミュニケーション支援に期待できる例

○障がい者ごとに異なる特殊な介護方法(例:体位変換)を、医療従事者などに的確に伝えることができ、適切な対応につながります。
○強い不安や恐怖等による混乱(パニック)を防ぐための本人に合った環境や生活習慣を医療従事者に伝えることができ、病室等の環境調整や対応の改善につながります。

補助犬の受け入れにご理解、ご協力をお願いします

 身体障がい者補助犬(補助犬)とは、目や耳、手足に障がいのある方をサポートする「盲導犬」、「介助犬」、「聴導犬」のことです。
 補助犬は「身体障害者補助犬法」に基づき訓練・認定されており、補助犬ユーザーは衛生・行動管理に責任を持って社会参加しています。同法では、医療機関や飲食店などの施設管理者に対して補助犬の受け入れを義務として定めています。
 ただ、依然として同伴を拒否される事例が発生しており、同法の周知啓発や補助犬に関する正しい知識と理解が求められています。

受け入れに向けた取り組み

○スタッフの教育
 研修を行い、正しい知識・理解を共有し、受け入れ体制を整えましょう。
○様々な場面での受け入れを想定
 一般来院者が利用できる区域は補助犬の同伴を受け入れることが原則です。受け入れられない区域を設ける場合は、補助犬ユーザーが分かるよう、丁寧に説明してください。
○他の来院者への啓発
 補助犬ステッカーを提示する等周知啓発を行いましょう。

子どもの高次脳機能障がい支援について

 高次脳機能障がいは、記憶や注意、感情のコントロール等に影響を及ぼし、その症状は多岐にわたります。小児期に発症した場合、学校生活での学習や友人関係がうまくいかなくなることがあり、適切な支援がなければ症状が複雑化する等、二次障がいにつながる可能性があります。
 小児期発症の高次脳機能障がいに関する実態等が十分に把握されていなかったことから、大阪府では令和6年度に「子どもの高次脳機能障がい理解促進事業」の一環として調査事業を行いました。
 地方独立行政法人大阪市民病院機構大阪市立総合医療センターによる調査からは、支援学校等に一定数の高次脳機能障がいのある児童が在籍すること等が明らかとなりました。
 調査結果を踏まえて、理解促進と適切な支援が行われるよう、小児の高次脳機能障がいの特徴や支援方法を記載した『こどもの高次脳機能障がいサポートブック』を作成しました。あわせて、その内容の一部を紹介した支援普及チラシも作成し、いずれも大阪府高次脳機能障がい相談支援センターのホームページで公開しています。医療機関の皆様におかれましても、ぜひご活用ください。

医療と福祉が連携した取り組み

 大阪府では、医療機関等のご協力も得て高次脳機能障がいに関する取り組みを進めています。具体的には、電話等による相談支援をはじめ、医療従事者や障がい福祉サービス事業所等の支援者向けの研修や、二次医療圏域ごとのネットワーク構築により支援機関がつながる仕組みづくり、イベントや動画の配信等を通じた普及啓発に取り組んでいます。
 詳しい情報は、大阪府高次脳機能障がい相談支援センターのホームページをご覧ください。