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医師・医療関係者のみなさまへ

緩和医療に関する研修会(シリーズ⑯)

府医ニュース

2026年3月4日 第3137号

在宅における緩和ケアのポイントを解説

 大阪府医師会は令和7年11月22日午後、「7年度緩和医療に関する研修会(シリーズ⑯)」を府医会館で開催。ウェブとの併用で、医療従事者ら約100人が受講した。
 池永昌之氏(淀川キリスト教病院緩和医療内科主任部長)が座長を務め、大平真司理事があいさつ。本研修会が在宅医療における緩和ケアの推進・普及につながることに期待を寄せた。
 はじめに、目黒則男氏(目黒クリニック院長)が、「在宅緩和ケアで役立つ泌尿器科の知識」と題して講演した。がん患者にみられる泌尿器科症状として、▽痛み▽排尿困難▽頻尿▽血尿――などを列挙。症例を用いて、特徴や治療方法、原因を解説した。また、寝たきりなど生活の自立度が低い患者への投薬における注意点や危険性についても加えた。そのほか、夜間頻尿は、①夜間多尿②蓄尿障害③睡眠障害――の3つが主な原因だが、無呼吸症候群の患者や副作用で浮腫を引き起こす薬剤も尿意を催すきっかけになると注意を促した。
 次いで、藤井智子氏(淀川キリスト教病院歯科口腔外科部長)が、「在宅緩和ケアで役立つ歯科口腔外科の知識」をテーマに登壇。緩和医療における口腔管理の重要性を訴えた。口腔ケアは「会話」「経口摂取」「QOL」の質に直結するとし、医師や歯科医師などの多職種で連携する治療体制が整備されつつあると言及。口腔ケアにおいて、「口腔内を潤った状態に保つ」ことがポイントになるとアドバイスした。手術や治療を受ける患者に対して合併症を防ぐ周術期口腔機能管理にも触れ、生きる時間を支える緩和医療の口腔ケアとの違いを説いた。
 最後に、梅田寿美代氏(住友病院メンタルヘルス科診療部長)が、「在宅緩和ケアで役立つ精神神経科の知識」について講演した。がん患者における精神症状の有病率を説示し、特に頻度の高い症状として、▽適応障害▽うつ病▽せん妄――を挙げた。がんに伴う気持ちのつらさに対しては、抗うつ薬の推奨レベルが低いとし、精神療法の活用を呼びかけた。また、がん以外の疾患における精神科医療も取り上げた。