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医師・医療関係者のみなさまへ

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府医ニュース
2026年3月4日 第3137号
大阪府医師会は令和7年10月31日午後、「特定健診の受診勧奨に係る研修会」を府医会館で開催。本研修会は大阪市委託事業の一環として実施され、大阪市内の医師会員ら約50人が聴講した。
冒頭、澤井貞子理事があいさつで、大阪における特定健診の受診率は全国の中でも最低水準だと憂慮。受診率の向上が喫緊の課題だと述べ、本研修会で特定健診の有用性を再確認し、患者などに受診を促してほしいと呼びかけた。
はじめに、福田正博氏(ふくだ内科クリニック院長)が、「健やかな大阪を目指して:かかりつけ医だからできる、特定健診と保健指導のススメ」について講演した。日本人の健康寿命を縮める疾患として、▽腎不全▽脳卒中▽認知症▽心疾患――などを列挙。健康寿命の延伸には、その原因となる「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」といった生活習慣病の早期発見・早期介入・治療継続が重要だと述べた。重症化防止のため、内臓脂肪が過剰に蓄積している「メタボリックシンドローム(以下、メタボ)」の段階で介入する必要性を説いた。さらに、内臓脂肪が溜まることで危険因子の保有数が増加し、虚血性心疾患の発症率や死亡率が高くなると注意を促した。また、受診率の低さの打開に向け、行動経済学の視点からナッジ理論を解説。「そっと後押しする」ように、強制することなく自然な形で受診を勧奨する工夫を伝えた。メタボの生活指導にも活用できると加え、生活習慣の改善が最良の対策であるとアドバイスした。
次いで、津守美由紀氏(大阪市福祉局生活福祉部保険年金課保健副主幹)が、「大阪市特定健康診査受診率向上の取組について」をテーマに登壇。大阪市国保被保険者の現状と課題を報告した。受診率の低さの背景には、すでにかかりつけ医へ定期的に受診していることを理由とする未受診者が多いと指摘。「かかりつけ医の働きかけによって受診率の向上が期待できる」との見解を示した。
最後に、澤井理事が、「大阪市『特定健診受診率向上のための受診勧奨業務』について」と題して講演。「特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き」を解説し、ポスターやリーフレットを用いた患者への情報提供について紹介した。あわせて、かかりつけ医による受診勧奨への協力を求めた。